Amtrak - Blue Water

ブルー・ウォーター号（Blue Water）はアムトラックが出来て間もない1974年に誕生した列車です。　運転区間も現在と同じシカゴ～ポート・ヒューロン間の約500キロを結んでいました。　誕生から8年後の1982年に転機が訪れます。　なんと国境の町「ポート・ヒューロン」からカナダの大都市「トロント」まで延長され、国際列車として生まれ変わったのです。　五大湖のひとつであるヒューロン湖からセント・クレア湖まで流れるセント・クレア川がカナダとの国境なのですが、この区間には国境のトンネルがあり、列車は通り抜けられるのです。　これを機に列車名も変更され、その名もインターナショナル号（International）ということで、国際性をアピールしていました。　その後は廃止されることもなく運行されていましたが、2001年9月11日のテロはこの国際列車にも影響を及ぼしました。　カナダとアメリカは友好関係だといっても、国境の警備強化はここでも行なわれ、入国審査時間の増加によりインターナショナル号の運行に大幅な遅延が生じるようになりました。　その影響もあってか、2002年度の旅客数91714人から2003年度には80890人となり、11.8パーセントも落ち込みました。　このためアムトラックでは国境越えを廃止して運行区間をシカゴ～ポート・ヒューロンへ短縮することを決め、2004年4月にインターナショナル号は廃止、短縮された区間にブルー・ウォーター号が新設されました。　つまり、1974年の誕生当時の運行区間へと戻ったことになります。　

同じくミシガン州を走るウォルバリン号とは違い、ブルー・ウォーター号はミシガン州運輸局の援助で1日1往復運行されています。　基本編成は、機関車一台を先頭にシングルレベル車両（1階建て車両）が4両続きます。　ビジネスクラスとコーチがあり、カフェカーも連結されています。　プッシュ・プル運転のために動力なしの制御車が連結されていることがあります。　冬期は2階建て車両のスーパーライナーを使用します。　冬期にスーパーライナーを使用する理由は、こちらの方が寒冷地に強いということらしいです（特にホライゾン客車のホース系が寒さに弱い）。　また冬期はスーパーライナー客車の需要が少ないので、短距離路線に回すことが出来るという理由もあります。　列車の時刻はミシガン州東部からシカゴへ日帰り出来るような設定になっていますが、シカゴでの滞在時間は3時間45分しかないので、日帰り旅行を楽しむ人は鉄道ファンくらいでしょうか。　この列車は短距離列車ですが、利用の際には予約が必要です。　インターナショナル号の廃止時には、数少ないアムトラックの国際列車がなくなりちょっと悲しかったのですが、国境越えがなくなり、運行距離も短くなったので定時運行率が上がり、ブルー・ウォーター号の利用客は年々増加しているようです。　この調子ならミシガン州も予算を削ることはないのではないかと楽観していますが、やはり年度末には来年度の予算が取れているかハラハラしますね。

Train Consist

Train Gif: Alex Stroshane of Amtrak Prototype & Model

停車駅	州	時間帯	距離	標高	備考
Chicago	IL	CT	0 mi	182 m	METRAと共用
( Hammond-Whiting)	IN	CT	16 mi	180 m	通過
(Michigan City)	IN	CT	52 mi	183 m	通過
New Buffalo	MI	ET	62 mi	201 m
Niles	MI	ET	89 mi	213 m
Dowagiac	MI	ET	102 mi	235 m
Kalamazoo	MI	ET	138 mi	238 m
Battle Creek	MI	ET	160 mi	253 m
East Lansing	MI	ET	208 mi	259 m	ミシガン大学の最寄り駅
Durand	MI	ET	238 mi	243 m
Flint	MI	ET	256 mi	230 m
Lapeer	MI	ET	274 mi	251 m
Port Huron	MI	ET	319 mi	186 m

運行区間	Chicago, IL - Port Huron, MI
距離	513 km / 319miles
運行日	毎日
所要時間	6時間59分（西行き）
使用車両	シングルレベル（1階建て車両）
編成	ビジネスクラス、コーチ、カフェカー