西となりのポーティッジ駅が終了した時点で日は暮れていて、眠気と戦いながら車でたどり着いたコロンバスの町。　本来、駅の訪問は翌朝にまわすのですが、このときは自分がしていることに空しさを感じ、夜の駅舎を撮った後すぐにミルウォーキーへと出発してしまいました。　長い旅をしているとこのような疲れからくる虚無感に襲われることがあります。　自分が好きでしていることに対し、もう一人の冷めた自分がその行動を客観的に分析をしてしまい、｢お前は今何をしているのだ｣ と叱責されているような感覚に陥ります。　旅の中間地点の目安としていたシカゴが近づいてきたという安心感から気が抜けたのか、とにかくこの日の夜は目的地であるフロリダ州に一刻でも早く帰りたいという気持ちが強かったです。　暗い中で写真も適当に撮ったので、使い物になる画像は2枚しかありませんでした。　この駅舎は1906年に Chicago Milwaukee St. Paul & Pacific（シカゴ ミルウォーキー セントポール アンド パシフィック、略称 CMSt.P&P）によって建てられたもので、駅はアムトラック係員のいる有人駅となっています。　電灯に浮かび上がる古い駅舎はなんとも良い雰囲気で少しは気が治まってきたのですが、それでもやはり先を急ぎたい気持ちが勝っていて、その時の精神状況のがいかにひどかったかわかります。　駅からの帰りにダウンタウンを通ったのですが、こちらも古い建物の残る良い街並みでした。　ここは元気な時にもう一度訪れたいと思っています。

追記：
2005年9月に再訪しました。　前回は疲労の中、夜間に訪れましたが、今回は秋晴れの雲ひとつない日中に訪れました。　前回も感じていましたが、やはり良い駅舎、そして良い町でした。　この駅はアムトラック係員のいる有人駅で、100年前の古い駅舎がありますが、その古さを歴史的建造物として派手にアピールすることなく、ごく普通に旅客駅として存在しています。　そして路線を管理する貨物鉄道会社のカナディアン・パシフィック鉄道（Canadian Pacific Railway - CP）も詰所としてこの駅舎を使用しています。　一昔前の鉄道が元気だった時代の雰囲気が伝わってきます。　私が駅の写真を撮る時に、老夫婦が撮影の邪魔をしないようにと立ち止まってくれました。　また、街並みを撮影している時も、車に乗ったおじさんが撮影に協力するために車を停めてくれました。　これは私がお願いした訳でもないのに、ごく自然にしてくれたことです。　とても心が温まり、再訪して良かったと心から思いました。

駅情報：

所在地

359 Lundington Street
Columbus, WI 53925

経緯度

北緯43.34度　西経89.01度

標高

259ｍ

人口

4991人 （2010年統計）

駅員

有人駅

営業時間

10:30－18:30 毎日

駅舎

石造り駅舎、1906年建造

乗降客数

16259人 （2012年度）

アムトラック列車情報：

EMPIRE BUILDER

[ Seattle, WA (Portland, OR) - St. Paul/Minneapolis, MN - Chicago, IL ]

2005年9月訪問

駅舎正面
2005年9月30日

駅舎ホーム側
2005年9月30日

駅舎東側
2005年9月30日

プラットホーム
2005年9月30日

貨物用駅舎
2005年9月30日

「1906」は建造年
2005年9月30日

駅舎入口（道路側）
2005年9月30日

駅舎入口（ホーム側）
2005年9月30日

チケットカウンターと待合所
2005年9月30日

待合所
2005年9月30日

西方向（シアトル方面）をのぞむ
2005年9月30日

東方向（シカゴ方面）をのぞむ
2005年9月30日

ダウンタウン （James Street）
2005年9月30日

ダウンタウン （Lundington Street）
2005年9月30日

2001年8月訪問

コロンバス駅ホーム側
2001年8月26日

待合所入口（ホーム側）
2001年8月26日