Amtrak - Florence, SC (FLO)

フローレンスとは美しい響きの市名ですが、これはイタリア語のフィレンツェの英語名ということです。　イタリアのフィレンツェとどういう関係があるのかは分かりません。　人口は約3万人とそれほど大きい町ではありませんが、車から一瞥したところ賑やかな町という印象を受けました。　アムトラックの駅は街中にあり、小さな駅舎が建っています。　駅舎は近代的なものですが、ひさしのデザインを旧駅舎と同じにするなどの工夫が見られ、可愛い雰囲気に仕上がっています。　この駅は有人駅で、朝9時から次の日の早朝4時までと長時間の営業をしています。　この小さなアムトラック駅舎の横には1910年建造のアトランティック・コーストライン鉄道（Atlantic Coast Line - ACL）の大きな駅舎が健在です。　健在とはいっても内部は改装され病院の事務所として使われています。　ホームの方へ向かうと、この路線を管理しているＣＳＸＴの管理事務所（フローレンス区）があり、駅構内のヤードには貨物列車が多く停まっています。　列車のための施設が色々と整っているので、アムトラックの列車はこの駅で給水をしています。　

以前、この路線を通る南行きのオートトレインに乗車したことがあるのですが、深夜0時頃にこの駅に運転停車をし、乗務員の交代と給水をしていました。　その停車中に北行きのオートトレインも同時に到着しました。　オートトレインはこの駅では客扱いをしませんが、その後に来るシルバーメテオ号に乗るお客が駅の待合所に数人見えました。　深夜の列車が静かに停車する光景を見ていると、昭和50年代に東北本線の福島駅で夜を明かしたことを思い出しました。　あの当時の福島駅の深夜は夜行列車天国でしたね。　津軽（旧客）、八甲田（12系）、あづま（475系急行）、はくつる（583系特急）、あけぼの（20系）、その他大勢がひっきりなしに通過して行きました。　私は今も十分に幸せなので、昔に戻りたいとは思いません。　しかし、あの当時の列車だけはもう一度見たい、乗りたい。　当時を知らない人には悪いけれど、あの頃の汽車旅は本当に面白かった。　旧型客車の普通列車でゆっくり東北本線を北上したことなど、もはや夢物語です。　大赤字の国鉄を引き継ぎ、運営してゆくＪＲの経営は本当に大変なものでしょう。　合理化のため、経費を削り、無駄を取り、そして私たち鉄道ファンが好きだった旅情も消えました。　国鉄は莫大な赤字を生み、国民に大借金を残しました。　しかし、あの無駄に多くつないだ空いた客車のワンボックスを陣取り、静かに移ろいゆく景色を眺めながら人生を考えたものでした。　あの時があるから、今の自分がある。　あの時、誰もいない列車に揺られながら色々考える機会を与えてくれたのは、国鉄の無駄だった。　国鉄の運営が正しかったとは言いません。　だけどもし自分にお金があれば、国鉄の借金を少しでも返してあげたい。　あれは無駄だけでなく、多くの人の人生を助けたり、元気付けたりもしていたのです。　正直、無駄のない世の中は疲れます。　この先、日本の鉄道がどのように変わってゆくのか、不安です。　アムトラックとは関係ない話になってしまいました。　すいません。

所在地	807 East Day Street Florence, SC 29506
経緯度	北緯34.20度　西経79.76度
標高	14ｍ / 45ft
人口	30248人
駅員	有人駅
営業時間	9:30 - 4:30　毎日
駅舎	近代駅舎、建造年不明
乗降客数	33244人（2005年度）


駅舎正面 2003年6月23日		正面入口 2003年6月23日


駅舎ホーム側 2003年6月23日		チケットカウンター（左）と待合所 2003年6月23日


貨物鉄道会社（ＣＳＸＴ）の事務所 2003年6月23日		昔のプラットホーム 2003年6月23日


南方向（マイアミ方面）をのぞむ 2003年6月23日		北方向（ニューヨーク方面）をのぞむ 2003年6月23日


アムトラック駅舎のすぐ横には旧駅舎が健在 2003年6月23日		旧駅舎は病院の事務所として使用されている 2003年6月23日

列車名	経路
PALMETTO	[ New York, NY - Washington, DC - Florence, SC - Savannah, GA ]
SILVER METEOR	[ New York, NY - Florence, SC - Orlando, FL - Miami, FL ]