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ギャラップの駅舎は1918年建造の旧サンタフェ鉄道時代の建物です。 この駅舎には1923年建造ハーベイハウス「El Navajo」(駅に併設するレストランやホテル)もありましたが、ハーベイハウスの部分は1957年に取り壊されています。 それにしても質素なデザインの駅舎で、しかも近代化工事が行われていたこともあり、最初に見た時は最近の建物かと思ってしまいました。 待合所も近代化されていて、低い天井に蛍光灯、狭い敷地と、昔の面影は皆無です。 ギャラップの北120キロには、全米でもそこだけという4州の交点、「Four Corners」(四つ角)があります。 3州の接点というのは結構多いのですが、4州となると「Four Corners」しかありません。 座標軸のように十字に交差した州境には、ユタ州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、コロラド州が接しています。 その交点にはモニュメントがあり、そこに立てば4州を一瞬にして訪れることが出来るわけです。 「Four Corners」は有名な観光地で、多くの訪問客がいました。 もっと地味な場所を予想していたので意外でした。 「4州の交点」が売りの観光地ですが、ここでの見ものは何といってもその景観でしょう。 潅木しか生えない荒涼とした大地が見渡す限り続いています。 こんな所に放り出されたら、すぐに行き倒れてしまいそうです。 人工的な直線で引かれた州境の、たまたま交わったその点が、人を拒絶するほどの大自然の中にあるのです。 なかなか行きにくい場所ですが、アムトラックの駅ではギャラップが最寄り駅なので、ここで取り上げてみました。 せっかく「Four Corners」を紹介したので、そこから約200キロ西にある、ちょっと変わった鉄道にも触れておきましょう。 この鉄道はアリゾナ州北部にある「ブラックメサ&レークパウエル鉄道」(Black Mesa & Lake Powell Railroad - BM & LP)といい、1973年に開業、ブラックメサ炭鉱の石炭をナバハ発電所まで運ぶ78マイル(125キロ)の鉱石鉄道です。 鉱石鉄道という目的から、どの鉄道ともつながりが無く、砂漠の中に孤立した状態で運行されています。 列車は全自動で運転されるのですが、緊急時のために係員が1人先頭車に乗っています。 鉱石鉄道というと日本ではナローゲージのトロッコを連想してしまいますが、ここのものは標準軌にPC枕木といったフル装備のものです。 そして驚きなのが、この鉄道は電化されています。 その使用電圧がこの鉄道の一番の特徴で、なんと交流5万ボルト(50kv)、新幹線2万5千ボルトの2倍です。 ということで、BM&LPは世界初の50kv電化の鉄道として有名なのです。 50kv鉄道の実験的な意味もあったらしいのですが、その後に普及していないということはやはり何か問題があるんしょうね。 50kvというのは接触を考えれば、やはり相当危険なものでしょうし、人が住んでいる所には不向きかもしれません。 私が調べた限りでは、ほかの50kv鉄道でも鉱石運搬用にしか使われていません(南アフリカとブラジル、イカロス出版「鉄道ギネスブック」より)。 BM&LP鉄道の沿線には誰も住んでいない荒野なので、これだけの高電圧を使えたのだと思います。 ただ最近の石油価格の高騰によって、50kv電化にも光が射すかもしれません。 高圧になるほどロスが少なくなるので、この鉄道の場合、給電施設はナバハ発電所に1ヶ所で済んでいます。 125キロ長をたったひとつの施設で給電しているのです。 この給電施設の少なさが50kv鉄道の最大の利点で、施設建造費や維持費の削減につながるのです。 特にこのBM&LP鉄道は発電所から直に給電しているので、電気代はタダみたいなもんでしょう。 50kv鉄道の将来に期待したいところです。 私は1枚しか写真を撮らなかったのですが、下にある写真はブラックメサ炭鉱の石炭積込み所付近のものです。 もう少し情報がほしい人は、「The Southwest Railfan」というサイト(英語)でBM&LP鉄道の特集をしていて写真がたくさんあります。 ご覧になりたい方はこちらからどうぞ。 このサイトによるとBM&LP鉄道の列車は1日3往復(水曜日は2往復という話もある)運行されているようです。 |
駅情報: |
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所在地 |
201 East
Highway 66 |
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経緯度 |
北緯35.53度 西経108.74度 |
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標高 |
1984m |
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人口 |
21678人 (2010年統計) |
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駅員 |
無人駅 |
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駅舎 |
漆喰造り駅舎、1918年建造 |
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乗降客数 |
14433人 (2011年度) |
アムトラック列車情報: |
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列車名 | 経路 |
[ Chicago, IL - Albuquerque, NM - Los Angeles, CA ] |
駅舎正面 |
駅名標 |
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ロサンゼルス方面(西方向)をのぞむ |
シカゴ方面(東方向)をのぞむ |
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「Gallup」周辺の観光案内 |
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「Four Corners」の入口 |
4州の交点(ユタ・アリゾナ・コロラド・ニューメキシコ) |
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「Four Corners」周辺は果てしなく続く荒野 |
BM&LP鉄道の東の終点、石炭積込所 |
夕日に染まるギャロップ駅舎、アムトラックは駅の中央部分を使用していた (1976年6月) |
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