ハーパーズフェリー周辺は丘陵地帯で、町はシェナンド川（Shenandoah）がポトマック川（Potomac）に合流する部分に位置しています。　この一帯はハーパーズフェリー国立歴史公園（Harpers Ferry National Historical Park）に指定されていて、多くの史跡があります。　多くは南北戦争に関するものですが、ここは２本の川と丘がある自然が造った要害の地なのかもしれません。　そういった史跡観光としては有名な場所ですが、町としては人口約300人しかいない小さなものです。　この場所にアムトラックだけでなくコミュータートレインのマーク（MARC）も停まるのは不思議な気がします。　ハーパーズフェリー駅にはボルティモア＆オハイオ鉄道（Baltimore & Ohio Railroad - B&O）の木造駅舎が健在です。　駅舎内には古めかしい雰囲気の良い待合所があります。　歴史公園なので派手な改装が出来ないからなのか、昔の面影を残す素晴らしい駅です。　ホームへ出てDC方面（東方向）を望むと、駅のすぐ先にポトマック川を渡る鉄橋と岩山をくりぬいたトンネルが見えます。　山に張り付く5月の新緑と荒々しい岩肌、眼下には悠々と流れるポトマック川。　ワシントンDCからもそんなに遠くないので、この風光明媚な駅を散策してみてはいかがですか。

追記： 古ぼけた感じの駅舎でしたが、2006年7月現在、駅舎は改修中です。　この改修では1950年に撤去されたタワーも復活させ、1931年当時の駅舎を再現するそうです。 （資料： 鉄道雑誌「TRAINS」、2006年7月号）

再訪記：
2007年8月に再訪しました。　駅舎改修とタワーの復活工事が完成したので見に来ました。　1回目の訪問時には黄色系の駅舎でしたが、改修後は赤色系に塗り替えられています。　屋根も色は変わっていませんが、張替えがされていて新材が輝いていました。　復活したタワーですが、思いのほか小さく感じましたが、これからはこの駅舎の特徴になるはずです。　待合所も新築同様に改修されていて、以前の古ぼけた面影はありません。　向かいのホームには地下道が通じているのですが、この部分は全く改修されていませんでした。　すえた臭いのする足場の悪い地下道を抜け、反対側のホームへと向かいます。　地下道の出口には雨よけの木造の待合所が設置されていますが、この建物も改修されていません。　というか、この待合所は明らかに傾いています。　崩れるのも時間の問題でしょう。　このホームは今は使用されていないのかとも思いましたが、それにしては地下道が閉鎖されていないので、たまには使用される時があるのでしょう。　この木造の待合所も結構いい味を出しているので直して欲しかったです。　この日のハーパーズフェリーは土曜日ということもあり多くの観光客でごった返していました。　コミュータートレインのマーク（MARC）は土日は運休です。　ワシントンDCからこの駅までの列車を土日に運行したら結構利用するのではないでしょうか。　

駅情報：

所在地

Potomac Street
Harpers Ferry, WV 25425

経緯度

北緯39.33度　西経77.73度

標高

85ｍ / 280ft

人口

286人 （2010年統計）

駅員

無人駅

駅舎

木造駅舎、1894年建造

乗降客数

5483人 （2012年度）

アムトラック列車情報：

CAPITOL LIMITED

[ Washington, DC - Pittsburgh, PA - Cleveland, OH - Chicago, IL ]

都市鉄道情報：

MTA －Maryland Transit Administration

コミュータートレイン（MARC）、土日祭運休

2007年6月訪問

 駅舎正面
2007年6月16日

駅舎ホーム側
2007年6月16日

復活したタワー
2007年6月16日

新築同様の待合所
2007年6月16日

西方向（シカゴ方面）をのぞむ
2007年6月16日

東方向（ワシントンDC方面）をのぞむ
2007年6月16日

ポトマック川を渡る鉄橋と岩山を抜けるトンネル
2007年6月16日

ハーパーズフェリーの街並み
2007年6月16日

2002年5月訪問

 駅舎正面
2002年5月13日

待合所
2002年5月13日

ホーム上の待合所
2002年5月13日

ポトマック川を渡る鉄橋と岩山を抜けるトンネル
2002年5月13日

西方向（シカゴ方面）をのぞむ
2002年5月13日

東方向（ワシントンDC方面）をのぞむ
2002年5月13日