ヒューストンは全米第4位の大都市（1位ＮＹ、2位ＬＡ、3位シカゴ）で、テキサス州では最大の都市です。　ヒューストンという地名はテキサス独立のためにメキシコ軍と戦ったテキサス義勇軍の将軍の名 「サム・ヒューストン」 から来ています。　ヒューストンといえばNASAのジョンソン宇宙センターがあることで有名です。　この宇宙センターではスペースシャトルの管制を担当しています。　数年前に日本の携帯電話のCMで、打ち上げ中のスペースシャトルの目の前で 「こちらヒューストンです」 と爆音に負けないような大声で携帯電話に向かって叫ぶというものを見たことがあるのですが、これは間違いです（意図的に間違えたのだろうか）。　スペースシャトルは打ち上げがフロリダ州、管制がヒューストン、着陸がフロリダ州もしくはカリフォルニア州（天候や着陸軌道による）となっていて、ヒューストンからは飛んで行きません。　たいていの人はヒューストンという地名を聞いたことがあると思いますし、ヒューストンから連想するものに宇宙センターを挙げる人も多いでしょう。　知名度はあるヒューストン、しかしその先が続かないんだなあ、ヒューストンは。　そのほかにはそれほど有名な観光スポットなどもなく、ひょっとすると実はかなり地味な街なのではないかと私は思っています。

以前私の友人がヒューストンに滞在していたことがあり、その友人に 「なぜヒューストンを選んだの」 と聞いたところ、「医療に関しては最先端の町であり、病気やケガの時に適切な治療を受けられるから」 というのが理由だったそうです。　確かに医療技術は進んでいる都市らしく、ヒューストンのダウンタウンの南側には医療地区という区分があり、そこには世界最大の医療施設 「テキサスメディカルセンター」 があります。　そのメディカルセンターには医師だけで約5万人、それに患者、訪問者、研修生、納品業者など、このメディカルセンターに関わる人を合計すると約11万人が1日に出入しているそうで、これはもう立派な 「町」、しかも都市として分類できるほどの人口です。　ダウンタウンからメディカルセンターへはメトロレール（METRORail）というライトレールが結んでいます。 　全米5大都市（NY、LA、Chicago、Houston、Philadelphia - 2000年統計）の中で、鉄道による公共交通がなかったのはここヒューストンだけでした。　しかし2004年1月にこのライトレールが開業し、全米5大都市すべてに鉄道の公共交通が整備されたことになります。

友人から聞いたそのほかのヒューストンの情報として、ダウンタウンにはもちろん危険な地区などもあったりしたそうですが、全般に見てここでの生活はとても楽しかったそうです。　こうして見ると観光で来るよりも滞在者向けの町なのかもしれません。　それとあともう一つ、その友人が言っていたのですが、ヒューストンには巨大ゴキブリ（テキサスサイズというらしい）がたくさんいるという事を付け加えておきます。　「ガサガサッ」、深夜に物音で目が覚めた。　「ガサガサッ」、流し台の方で何か音がする。　薄暗い通路を抜け、私はそっと流し台へ近づいた。　キッチンの電気を点けて私の視界に飛び込んできたものは、排水パイプからあふれ出してくる巨大ゴキブリの大群だった、「ギョエー！」、という事らしいです（実話）。　住んでいた人が言うのだから間違いないのだろうけど、この巨大ゴキブリと最先端の医療都市というのが今でも結び付きません。　

ヒューストンのアムトラック駅はダウンタウンの南東側に位置していて、周囲は工場地帯で倉庫などが建ち並ぶ殺風景な所になっています。　昼間は危険を感じるほどではありませんが、夜にはかなり怪しい雰囲気になるのではないかと思うので、夜間にこの駅を利用する人はタクシーを使ったほうが良いでしょう。　この駅の営業時間はかなり不規則になっていますので、下の駅情報にある営業時間をご覧ください。　日によっては長い時間営業をしていますが、土曜日は休業となっているので注意してください。　駅舎は近代的なもので何の特徴もありません。　そのためこの駅の印象というのがあまりなく、私は駅から街を判断してしまうという偏った目を持っているので、前述したヒューストン地味説が加速したのは言うまでもありません。　まあ、しいて言えば、駅から望むダウンタウンの高層ビル群が、「ヒューストンは大都会ですよ」 と言っているようで、一番記憶に残っている景色となっています。

再訪記：
2007年4月に再訪しました。　駅周辺は何も変わっていません。　ライトレールも出来たこともあり、ダウンタウンの公共交通を整備してくれるかと思っていたのですが、アムトラックの駅は除外されていました。　相変わらずちょっと怪しい雰囲気の駅で、駅のすぐ隣にある大きなレンガ造りの倉庫も使われていなくて、かなり荒れています。　中心部がライトレールによって整備されてきたので、ますますギャップを感じます。　今回はダウンタウンにあるユニオン・ステーションも訪れてみました。　このユニオン・ステーションは1911年に開業したものですが、1974年7月31日のアムトラックの列車「ローン・スター号」（Lone Star）を最後に閉鎖されました。　今では線路はすべて剥がされ、メジャーリーグのヒューストン・アストロズが使用する野球場施設の一部として余生を送っています。　ずいぶんと改造されてはいますが、ホールには駅らしい雰囲気が残っています。

駅情報：

所在地

902 Washington Avenue
Houston, TX 77002

経緯度

北緯29.77度　西経95.37度

標高

14ｍ

人口

2099451人 （2010年統計）

駅員

有人駅

営業時間

10:00 - 19:30  毎日

駅舎

近代駅舎、建造年不明

乗降客数

19637人 （2011年度）

アムトラック列車情報：

SUNSET LIMITED

[ Orlando, FL - Houston, TX - San Antonio, TX - Los Angeles, CA ]

都市鉄道情報：

METRORail

ライトレール （2004年1月1日開業）

観光鉄道情報：

Hermann Park

公園内を走るミニ列車。　ライトレールの駅のすぐ近く。

Six Flags AstroWorld

アストロワールド園内を周回する36インチゲージの列車

駅舎全景
2007年4月15日

駅舎正面
2007年4月15日

駅舎ホーム側（東側）
2007年4月15日

駅舎ホーム側（西側）
2007年4月15日

チケットカウンターと待合所
2007年4月15日

駅からダウンタウン（南）をのぞむ
2007年4月15日

アムトラック用の倉庫
2007年4月15日

倉庫は「Mechanical Department」の建物
2007年4月15日

ロサンゼルス方面 （西方向）
2007年4月15日

オーランド方面 （東方向）
2007年4月15日

Houston Union Station

ヒューストン・ユニオンステーション
2007年4月15日

現在は野球場施設の一部になっている
2007年4月15日

正面入口
2007年4月15日

ユニオンステーションのホール
2007年4月15日