ウィスコンシン州ジェーンズビル（Janesville）はアムトラックの発足した1971年に旅客列車が廃止されました。　2000年4月15日、イリノイ州シカゴとここジェーンズビルを結ぶ 「レーク・カントリー・リミテッド号」 という短距離列車がウィスコンシン州の援助により運行を開始しました。　ジェーンズビル市にとっては29年ぶりの列車復活だったのですが、このレーク・カントリー・リミテッド号は2001年9月23日には廃止されてしまい、わずか1年5ヶ月で消えた短命の列車でした。　列車が廃止ということは、当然の事ながら駅も廃止されてしまったということです。　この駅には列車廃止の1ヶ月前（2001年8月）に訪れましたが、もうすでに駅名標が取り外されていて（盗まれた？）、何ともやり切れない思いがしました。　この駅は町の中心部から4キロほど東にあり、駅周辺には何もありません。　以前私は、この手の短距離列車の駅としては、アメリカの自家用車所有率の高さからいって、このような郊外に安く簡素な駅を設置して、駐車場のスペースを多く取り、パークアンドライドのシステムを取り入れるのが理想と考えていました。　しかし、この殺風景な駅を見ていると、そのような合理主義だけでは解決できない問題もあるのではないかと考え直しました。　この駅は結局人々から相手にされずに消えていった気がします。　このような現状を見ると、駅の設置費用は高くなりますが、きちんと町の中心部に造り、駅を町の一部として位置付けし、市民から愛されるようなものを造り出す必要もあるのかもしれません。　もちろん列車自体の利便性や快適性なども条件のひとつですが、人々の心理にアピールするような演出も大切なのでしょう。

再訪記：
最初の訪駅時から4年後の2005年9月に再訪しました。　駅の入口がコンクリートのブロックで塞がれている以外はほとんど変化は無く、駅の施設も野ざらしにしては程度も良く残っています。　大きな変化といえば、側線が1本足されていた事でしょうか。　貨物の需要はあるということですね。

駅情報：

所在地

3136 East County Road O
Janesville, WI 53546

経緯度

北緯42.67度　西経88.98度

標高

249ｍ

人口

59498人

廃止日

2001年9月23日

駅舎

駅舎なし、簡易待合所のみ

現在状況

プラットホームは現存（2005年9月）

アムトラック列車情報：

LAKE COUNTRY LIMITED

[ Chicago, IL - Glenview, IL - Janesville, WI ]
2001年9月23日廃止

駅入口からの全景
2001年8月27日

ホームには簡素な屋根があるだけ
2001年8月27日

プラットホーム （シカゴ方面、東方向をのぞむ）
2001年8月27日

西方向をのぞむ
2001年8月27日

2005年9月に再訪

駅への入口はブロックで塞がれている
2005年9月30日

4年前とあまり変化はない
2005年9月30日

公衆電話は取り外されている
2005年9月30日

ホーム側
2005年9月30日

シカゴ方面、東方向をのぞむ
2005年9月30日

西方向をのぞむ
2005年9月30日