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Amtrak - Pensacola, FL (PNS)



PENSACOLA
FLORIDA
(PNS)


注記: ハリケーンの災害により、サンセットリミテッド号はフロリダ州オーランドとルイジアナ州ニューオリンズ間を運休しているので、この駅も休止状態です。 復旧時期は未定です。 このまま廃止の可能性もあります。

フロリダ州と聞くと南北に長い州を連想しますが、州の北部はジョージア州とアラバマ州の南部を削り取るように細長く西に伸びています。 ペンサコラはその州の西端にあるメキシコ湾に面した海沿いの街です。 ここ西端のペンサコラから東にまっすぐ進んだジャクソンビルまでは鉄道で600キロもあります。 この東西に長い距離のためフロリダ州では州都のタラハッシより西側では時間帯がセントラル・タイムを使用していて、ジャクソンビルオーランド、マイアミなどの都市(イースタン・タイム)とは1時間の時差が生じています。 ペンサコラは海軍の航空基地があることで有名です。 ペンサコラの北側を東西に貫くハイウェイ10号(I-10)のペンサコラ近くのパーキングエリアには、海軍のジェット機が飛んでいるような姿に展示されていて、これを見るとペンサコラに着いたなというのが分かります。 そのような軍関係の施設の多いペンサコラですが、基地の町特有の物々しさなどは無く、とても明るい雰囲気の町になっています。 それはたぶんペンサコラのもう一つの顔とも言える、ペンサコラ・ビーチを中心とするリゾート地としての性格が圧倒的な明るさを持って他に影響しているからでしょう。 あるガイドブックによると、ペンサコラ・ビーチフロリダ州で最も美しい海岸である と豪語しています。 私は端っことか先端とかの土地が非常に気になる人間で、州の西端にあるペンサコラも地理的条件からとても気になる場所のひとつでした。 いつかは行こうと思っていたのですがなかなか踏ん切りがつかずにいました。 しかし、そのガイドブックの 「最も美しい海岸」 という文句に挑発されて、すぐさま訪れる決意をしました。 まだアムトラックの駅巡りをする前の事だったので、この時はペンサコラ駅には行きませんでした。 私の住んでいる場所からペンサコラまでは片道約800キロはありましたが、お金も時間も無いので日帰りという強行案で実行し、早朝からひたすら車で走り続け、夕方頃には何とか到着しました。 初めてビーチを見て思わずうなりました。 「おお、なんて白い砂なんだ」。 ここのビーチの砂はほんとに白く、近くで見るとグラニュー糖、離れて見るとまるで雪のようでした。 この日は残念なことに曇り空だったので青い空とのコントラストは見られませんでしたが、この純白の砂浜を見れただけで充分満足しました。 日が暮れかかった海岸を走っていると、砂浜が雪原のように見えてきて、冬の北海道の海岸を走っているような錯覚に陥りました。 その後、ペンサコラにはもう一度訪れています。 もちろんこれは前回訪れなかったアムトラックの駅を訪問するためのものだったのですが、ペンサコラ・ビーチももう一度見たかったからでもあります。 前回は見る事が出来なかった 「青い空に眩しく光る白い砂」 という状況を是非見たく、事前に天気予報をチェックして、快晴の日を選んでの出発となりました。 下の写真にあるのがその時のビーチです。 青い空、白い砂、エメラルド・グリーンの海、素晴らしい! 本当に美しい海岸です。 深夜早朝はまだまだ冷える3月下旬ですが日中は暖かく、ビーチには多くの水泳客がいました。 フロリダの海できれいな所といったら、最南端にあるキー・ウェストだろうと考えていた私は、この西の果てにあるペンサコラのビーチに深く感動し、フロリダの観光地としての素質を改めて認識した次第であります。 

アムトラックのペンサコラ駅は町の中心部の南東側、ペンサコラ湾に程近い場所に位置しています。 この駅から私がお勧めのペンサコラ・ビーチまでは南に15キロほどあり、長い橋を2本(1本は有料道路)も渡らなければいけないので、徒歩で簡単に行ける場所ではありません(タクシー利用がベストでしょう)。 ペンサコラ駅の駅舎はデザイン的には昔風になっていますが、最近建てられた近代的なものです。 この駅はアムトラック係員のいる有人駅なので、チケットカウンター、待合所、トイレ、公衆電話などの施設は整っています(バゲッジの取り扱いは無し)。 駅の営業時間は列車の到着時刻の関係で深夜の12時から朝9時30分までとなっています。 しかし月曜から金曜しか営業しないので、土曜日の朝6時30分発のオーランド行きに乗車の方は、駅が無人となっていますので注意してください。 この駅業務の週末休業の処置はアムトラックの経費削減計画の一環としてここ数年で全米の駅に広がっています。 もちろん完全に無人化されるよりはまだマシなのですが、有人駅として存在している以上は列車が発着する時だけでもきちんと係員を配置して欲しいものです。 中途半端に係員がいたり、いなかったりしては余計に利用客を混乱させます。 実際、この週末無人化によって被害を受けた利用者と偶然にこの駅で会っています。 私がこの駅に着いたのは午後の1時近くでした。 駅の写真を撮っていると正面入口の所に一人のおばさんが立っているのが見えました。 誰かを待っているのだろうかと軽く考え、駅舎に入るために正面入口へと向かいました。 入口に立っているおばさんと挨拶を交わし、扉を押そうとすると入口は施錠されていました。 この時初めて駅が休業していることを知りました。 そんな感じでしばらく扉の前にいると、おばさんが私に 「アムトラックに乗るのですか」 と聞いてきました。 「私は鉄道の駅が好きで写真を撮っているだけです。 あなたはここで何をしているのですか」 と聞き返すと、「私は朝から列車を待っているのよ」 と悲しげに答えました。 何とこのおばさんは朝の6時から7時間もこの駅で東行きのサンセット・リミテッド号を待っていたのでした。 この日は運悪く土曜日だったので駅業務は無く、おばさんは待合所に入る事も出来ずに、扉の前で待ち続けるしかなかったのです。 おばさんはアムトラックに電話をしてどうなっているのかを尋ねたらしいのですが、係員が言うには、ニューオリンズの先で橋梁の火災があり、サンセット・リミテッド号はニューオリンズで運転打ち切りとなり、そこから先は代行バスが運行されているということで、そのバスはすでにニューオリンズを出発しているので、ペンサコラにはまもなく到着するだろうということです。 その電話を掛けてからもう5時間が経っているらしく、「もうバスが着いてもいいはずなのに」 と、また悲しい顔をしました。 このおばさんの話によると、朝6時の時点で他に2人のお客がいたそうです。 このふたりは親子で、子供はまだ赤ちゃんだったそうです。 時期は3月後半でしたが、この日は寒波の影響で早朝はかなり冷込んだようで、待合所に入れない親子は列車を待つことを諦め帰宅したそうです。 はぁー(溜息)。 何だか聞いていてこちらが申し訳なくなってきました。 この日の朝6時に係員がいればもっと適切な処置が出来たのではないかと思います。 少なくとも列車を待つ2人は暖かい待合所へ入れたはずですから。 おばさんに 「バスが早く来るといいですね」 と声をかけて、この駅を後にしました。

追記:
その後、駅の営業日が変更になり、土曜日はオープンするようになりました。 しかし、土曜日営業の代わりに木曜日と金曜日が休業になっています。 日曜日は変更なく休業のため、2005年4月現在では週4日(月・火・水・土)のみ営業しています。 バッゲジの取り扱いも相変わらず無しのままなので、車内持込の荷物しか受け付けません。 段々と不便になっていきます。

 

駅情報:

所在地

980 East Heinburg Street
Pensacola, FL 32501

Map

経緯度

北緯30.42度 西経87.20度

標高

8

人口

51923人 (2010年度)

駅員

有人駅

営業時間

0:00 - 9:30 火水土(木金日は休)

駅舎

近代駅舎、建造年不明

乗降客数

4130人 (2004年度)

 

アムトラック列車情報:

列車名 経路

SUNSET LIMITED

[ Orlando, FL - Houston, TX - San Antonio, TX - Los Angeles, CA ]



Photo 1 Photo 2

駅舎正面
2002年3月22日

駅舎ホーム側
2002年3月22日

Photo 3 Photo 4

チケットカウンターと待合所
2002年3月22日

オーランド方面 (東方向)
2002年3月22日

Photo 5 Photo 6

ロサンゼルス方面 (西方向)
2002年3月22日

青い空、白い砂。 ペンサコラ・ビーチ
2002年3月22日




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