Amtrak - Reno, NV (RNO)

リノはカジノの街です。　同じくネバダ州にあったアムトラックのラスベガス駅が1997年に廃止されたので、現在ではこの駅がカジノに一番近いアムトラックの駅となっています。　実際、駅舎を出るとすぐにカジノ場がネオンきらきらで誘ってきます。　カジノに興味のない私も思わず吸い寄せられ、40ドルをすった時点で早急にこの町を後にしました。　長居は危険な町のようです。　「The biggest little city in the world」、これがリノのニックネームです。　本当に小さな町で、色々と考えて観光客を呼び込もうとしていますが、リノの不幸は兄貴分のラスベガスが有名すぎることです。　常にラスベガスと比較され、格下に見られています。　そんなリノですが、私は応援したいですね。　がんばれ、リノ！

リノの駅舎は駅前広場もない、狭い道路沿いに建っています。　東京の新宿歌舞伎町の裏道のようなところです。　立地条件や場所の雰囲気はいまいちですが、駅舎は1926年建造の古くて立派なものを使用しています。　白で統一された外装と、赤い屋根が特徴で、待合所の屋根は高く、　天井部分だけ木の素材を生かした茶色になっています。　天井から吊るされた照明と、木製のベンチも良い味を出しています。　待合所に人々が程よくいるのも良く、落ち着ける空間です。

追記：
町の中心部を突っ切っている鉄道路線は他の交通の妨げになり、リノ市では高架化、地下化、迂回線など解決方法を幾度か討論していました。　この度、その解決案が決定し工事がスタートしました。　その解決方法とは、、、半地下化です。　今ある線路の土地を掘割にして、道路の下を抜けるというものです。　んー、ひょっとすると一番安い方法かもしれませんね。　ダウンタウン周辺の3.4キロの区間を10メートル掘り下げて造ります（英語では掘割を「Trench」といいます）。　この工事は2006年春に完成を予定しています。　この方法が嬉しかったのは、路線の場所は移動しないので、今あるリノの駅舎も今後も利用されるという希望が出てきたことです。　ノースキャロライナ州にあるハイポイント駅（High Point）で行われたのと同じ工法です。　ハイポイント駅は古い駅舎が残されましたが、掘割などの工事の影響でリノ駅舎取り壊しなんてことにはならないことを祈ります。資料：鉄道雑誌「TRAINS」 2005年6月号

再訪：
2005年11月18日に立体交差工事が完成し、駅周辺の付帯工事が終わった2006年1月4日にアムトラックがダウンタウンのリノ駅に戻ってきました。　その工事完成から約2年半後の2008年9月に再訪しました。　一番の心配だった旧駅舎はそのまま改修され使用していました。　ただ一線は退いたようで、新駅舎の奥のほうに追いやられた感じで存在しています。　旧駅舎の正面出入口は閉鎖されていますが、待合所は今も利用できるようで、チケットカウンターが移転したこと以外は昔のままです。　チケットカウンターは新駅舎の方に移りました。　そして地下化されたホームに接続するように新しい待合所も地下に造られまています。　待合所にはこの掘割工事の一連作業を写真で紹介していました。　踏切で消防車が足止めを食う平面交差時代から、元の線路の場所を掘り起こしているところ、新駅舎の建造など、とても興味深いです。　この工事で一番驚いたのは、その迂回線の敷き方です。　複線だったものを単線とし、その路線を駅舎の正面側に回して通しています。　当然、その間は駅舎正面の道路は通行止めになったのでしょう。　大掛かりな工事が無事に完成して本当によかったです。

注記：
リノ駅の3マイル（5km）東に「スパークス」（Sparks）という駅がありました。　この駅はカジノの東端にあり、それなりに乗降客はいたようですが、2008年11月1日に廃止されました。　そのため、東に向かう列車の次の駅は300km先のワイネマッカになります。

所在地	280 North Center Street Reno, NV 89501
経緯度	北緯39.53度　西経119.81度
標高	1372ｍ
人口	225221人（2010年統計）
駅員	有人駅
営業時間	9:00-17:30　毎日
駅舎	漆喰造駅舎、1926年建造
乗降客数	69257人（2011年度）

2008年9月7日訪問


旧駅舎正面		旧駅舎正面


旧駅舎ホーム側		プラットホームを見下ろす


旧駅舎正面入口（閉鎖中）		旧駅舎待合所


新駅舎正面		新駅舎正面入口


チケットカウンター（新駅舎）		待合所（地下レベル）


待合所		地下化（掘割）されたプラットホーム


エマリービル方面（西方向）		シカゴ方面（東方向）


リノの町並み（駅付近）		リノの町並み


地下化前（待合所にあった写真より）		掘割工事（待合所にあった写真より）


掘割工事（待合所にあった写真より）		新駅舎工事（待合所にあった写真より）


旧駅舎正面（待合所にあった写真より）		旧駅舎ホーム側（待合所にあった写真より）

2001年12月17日訪問


駅舎正面		駅舎（ホーム側）


エマリービル方面（西方向）		シカゴ方面（東方向）


待合所とチケットカウンター		駅のすぐ近くにはカジノ街

列車名	経路
CALIFORNIA ZEPHYR	[ Chicago, IL - Denver, CO - Salt Lake City, UT - Emeryville, CA ]