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Amtrak - Salt Lake City, UT (SLC)



SALT LAKE CITY
UTAH
(SLC)


2002年に冬季オリンピックが開催されたので、記憶に新しいことと思います。 私が訪問したのはオリンピック直前の2001年で、そこかしこでオリンピック用の工事が行われていました。 ハイウェイも改修工事のため通行止めになっていて、迂回の一般道にまわされて、車の渋滞と、どこを走っているのか分からないという状況からとても疲れ、この都市に関してはあまり良い印象はありません。 もっとも、私がこの町に滞在していたのはわずか30分程なので多くを語る資格はありませんし、オリンピック後はきちんと整備されたはずです。 そんな埃っぽい工事だらけの町で、ただ一つだけ印象に残っているのが、時折ビルの隙間からのぞく遠くの山々が、神々しいほどに美しく崇高であったことです。 この町に信仰深い人々が集まるのが分かる気がします。

アムトラックのソルトレークシティー駅は近代的な造りの特徴のない駅舎を使用しています。 この駅はアムトラック係員にいる有人駅なので、駅施設は整っています。 駅は毎日開いていますが、列車の到着時間に合わせて夜から朝までの深夜営業になっています。 駅の標高は1300メートルに近く、ソルトレークシティーはかなり高所にある都市ということが分かります。

この味気無い駅舎に移転する前に1999年まで使用していた旧駅舎が3ブロック東に健在です。 この駅舎は旧リオ・グランデ鉄道が1910年に建造したレンガ造りの大きな建物で、鉄道駅の風格をもった立派な駅舎です。 1986年から1999年までアムトラックが使用していましたが、立退きが終わった駅舎の内部はガランとしていて、見ていて胸が痛みます。 その駅舎の脇に今にも剥れそうな一枚の通知紙が貼ってあり、そこにはアムトラックの駅が移転したことが記されていました。 プラットホーム側に回ると、線路は剥がされていて、かき集められた道床が駅前に盛られていて、さらに悲しくなりました。 たとえ駅舎がきれいに保存されようとも、この駅にはもう列車が来ることはありません。

このリオ・グランデ駅舎から北へ数ブロック行ったところには、ユニオン・パシフィック鉄道(UP)の旧駅舎があります。 この駅舎は1909年建造のレンガ造りの建物で、1977年から1986年までアムトラックが使用していました。 私が訪れた時は大掛かりな改修工事が行われていて、その窓枠などもすべて取り外されていました。 この駅舎のホーム側も同じく線路が撤去されていて、鉄道駅としての役割はすでに終わっていました。 この駅舎はたぶん商業用のスペースに改造されるのでしょう。 この2つの旧駅舎は今どのようになっているのか、とても気になっています。

ユニオン・パシフィック鉄道の旧駅舎のすぐ前には、ユタ・トランジット・オーソリティー(UTA)の TRAX というライトレールの駅があります。 新旧2つの駅の顔合わせといった感じでしょうか。 この線はダウンタウンの中では無料で利用できるので、気軽に乗って楽しんでください。

あわただしく駅を見学し、次の町へと向かいます。 立ち去る時は、「この町はもう一回ゆっくりとまわって見たい」 と思っていました。 西へ向かってハイウェイを走っていると、北側にずっとソルトレーク(塩湖)がのぞめます。 ハイウェイと湖の間には鉄道の線路があって、ここをアムトラックの列車は走っています。 湖岸の休憩所があったので車を停め、夕日が沈むのを眺めていました。 感傷的な雰囲気になる光景でしたが、この時は 「ソルトレークの水って、どのくらいしょっぱいんだろう」 と考えていました。 実際に舐めてみたかったのですが、藪が邪魔をして湖面に近づけませんでした。 これも次回の訪問の時の宿題となりました。

再訪:
2009年6月に列車で再訪しました(停車中に観察)。 ソルトレークシティーは補給駅で、長時間停車するので余裕を持って駅観察が出来ます。 まだ夜が明けない早朝なので、写真はうまく撮れませんでしたが、駅の変貌を知ることは出来ました。 まず変わっていないところ、それはアムトラック駅舎。 相変わらず仮駅舎風の建物を使用しています。 その駅舎の正面にライトレールの線路が敷かれていて驚きました。 以前に訪れた時は駐車場だったので、これは大変化です。 そしてアムトラックのホームと平行してFrontRunnerというコミュータートレインのホームが造られていました。 このコミュータートレインは1997年5月に廃止されたパイオニア号の途中駅、ユタ州オグデン(Ogden)まで結んでいます。 このコミュータートレインに乗ってオグデン・ユニオンステーションを見に行こうと思っています。

 

駅情報:

所在地

340 South 600 West
Salt Lake City, NV 84101

Map

経緯度

北緯40.76度 西経111.90度

標高

1295m

人口

186440人 (2010年統計)

駅員

有人駅

営業時間

22:30-5:15 毎日

駅舎

近代駅舎、建造年不明

乗降客数

38571人 (2011年度)

 

アムトラック列車情報:

列車名 経路

CALIFORNIA ZEPHYR

[ Chicago, IL - Denver, CO - Salt Lake City, UT - Emeryville, CA ]

 

都市鉄道情報:

名称 種別

Utah Transit Authority (UTA) - TRAX

ライトレール、コミュータートレイン



2009年6月訪問(列車停車中に観察)

Photo 01 Photo 02

駅舎正面
2009年6月27日

「Salt Lake Central」と呼んでいるようです
2009年6月27日

Photo 03 Photo 04

駅舎ホーム側
2009年6月27日

待合所とチケットカウンター(奥)
2009年6月27日

Photo 05 Photo 06

シカゴ方面 (南方向)
2009年6月27日

エマリービル方面 (北方向)
2009年6月27日

Photo 07 Photo 08

FrontRunner(コミュータートレイン)のホーム
2009年6月27日

ライトレールの駅(アムトラックの駅舎前にある)
2009年6月27日

2002年5月訪問

Photo 1 Photo 2

駅舎正面
2001年5月16日

正面入口
2001年5月16日

Photo 3 Photo 4

シカゴ方面 (南方向)
2001年5月16日

ソルト・レークへ沈む夕日
2001年5月16日

Photo 5 Photo 6

旧リオ・グランデ駅ホーム側
アムトラックが1986年から1999年まで使用
2001年5月16日

旧ユニオン・パシフィック駅
アムトラックが1977年から1986年まで使用
2001年5月16日


旧リオ・グランデ駅待合所 、この当時はアムトラックはUP駅舎を使用 (1979年8月)

アムトラックが1986年から1999年まで使用していた旧リオ・グランデ駅舎 (1988年7月)

UPの貨物列車が旧リオ・グランデ駅前を通過 (1990年7月)




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