SANFORD AUTO TRAIN STATION |
FLORIDA |
(SFA) |
サンフォードにはふたつのアムトラック駅がありました。 ひとつは普通の長距離列車が発着する駅、そしてもうひとつがここで紹介するオートトレイン(Auto Train)の駅です。 2005年8月に長距離列車用の駅が廃止になったので今では区別する必要はなくなりましたが、以前はそれぞれの駅を言い分ける必要がありました。 このように2駅が隣接して存在している場合、日本では 「一般駅」、「オートトレイン駅」 などと言い分けて区別しますが、アメリカの場合、つまり英語では何と言うのか気になっていました。 もちろんここオートトレインの駅は単純に 「Auto Train Station」、「Auto Train Terminal」 と呼ばれているので、「オートトレイン駅」 として良いでしょう。 問題はもうひとつの 「一般駅」 の呼び方ですが、オートトレイン駅の周りをうろついていたら、もうひとつのアムトラック駅(一般駅)への案内板が立っていて、そこには 「Conventional Station」 と書かれていました。 コンベンショナル(Conventional)とは 「通常の、普通の、在来の」 といった意味があり、この時初めて一般駅を示すのにコンベンショナルという単語を使うことを知りました。 またアムトラックの時刻表には 「Regular Train Station」 とも表示されています。 レギュラー(Regular)も 「通常の、普通の」 という意味でよく使われています。 さて、ここまでさんざん 「オートトレイン」 という言葉を使ってきましたが、このオートトレインとは何かというと、「自動運転の列車」 という意味ではなく、日本でいうカートレインと同じで車やバイクを積み込んで走る列車のことで、アメリカではオートトレインと呼んでいます。 サンフォード・オートトレイン駅の駅舎は近代的な建物で、北東部から来る人たちのフロリダの玄関口となるため、白色を基調にマリンブルーのアクセントが入った明るい色使いをしていますし、駅舎の正面にはパームツリーが植えられていて、フロリダへの到着を視覚的に訴えたデザインとなっています。 また、駅舎内部の待合所のほかに、屋外にも待合所が設置されていて、これも温暖なフロリダならではの設計といえるでしょう(注記: サンフォードは内陸部に位置しているので、冬には氷点下になることもあります)。 そのほかの駅の特徴としては、車載車への積込み、積み下ろし場所が駅舎の正面あたりに位置していて、かなり広い土地を占めています。 さらにその積込み場の奥には客車の整備場まであり、普通の小駅とは違い鉄道駅の風格をもった造りになっています。 サンフォード・オートトレイン駅のプラットホーム有効長は長大編成を停車させるのに十分でないために、列車が駅に到着する前に車載車を最初に切り離し、その後寝台車を残したまま普通車だけ切り離し、2本の引込線に別れて停車します。 長大編成のためのオートトレイン特有の処置です。 バージニア州のロートン駅はホーム長が451メートルあるので(アムトラックの駅では最長)、分割停車をする必要はありません。 オートトレインの話からは逸れますが、サンフォード駅はアムトラックの最長距離列車 「サンセット・リミテッド号」 が一時期終着駅として使用していたことがあります。 サンセット・リミテッド号は1996年11月まではフロリダ州南端のマイアミまで運行されていましたが、現在では州中央部のオーランドまでに短縮されています。 そのマイアミからオーランドへ変更される間に、ほんの短期間ですが(1996年11月から1997年8月までの9ヶ月間)、サンフォード駅を終着にしていたことがあるのです。 まず最初にマイアミからサンフォードへ終点が変更されたのですが、サンフォードがあまりに不便で利用客にとって好ましくないということで、その後すぐに多くのテーマパークなどがあり、世界的に有名な観光地であるオーランドへ再変更されました。 素人目に見てもサンフォードよりオーランドの方がはるかに優れた場所であることは分かります。 ではなぜアムトラックは最初にサンフォード駅を終点にしたのかと考えたのですが、この車両整備場のあるオートトレインの駅をサンセット・リミテッド号の車両基地としたかったのではないかと思いました。 それならばこの中途半端なサンフォード駅を終点にした辻褄が合います。 ただそれは車両や運行本位の考え方で、利用客本位ではなかったということでしょう。 |
駅情報: |
所在地 |
600 Persimmon Avenue |
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経緯度 |
北緯28.81度 西経81.29度 |
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標高 |
8m |
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人口 |
53570人 (2010年統計) |
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駅員 |
有人駅 |
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営業時間 |
8:30 - 16:00 毎日 |
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駅舎 |
近代駅舎、2010年建造 |
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乗降客数 |
259944人 (2011年度) |
アムトラック列車情報: |
列車名 | 経路 |
[ Lorton, VA - Sanford, FL ] |
2009年4月訪問 |
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駅前通り(南方向をのぞむ) |
駅入口 |
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駅入口付近 |
受付ゲート |
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駅舎正面 |
駅舎ホーム側 |
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待合所(1) |
待合所(2) |
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チケットカウンター |
新駅舎完成図 |
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ロートン方面 (北西方向)をのぞむ |
東方向をのぞむ |
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2005年に登場した2代目オートキャリア(車運車) |
車両の積み下ろし場所 |
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サンフォード整備場 |
サンフォード整備場 |
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2001年、2003年訪問 |
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駅舎入口 |
駅舎正面 |
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駅舎ホーム側 |
チケットカウンター |
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駅舎内部の待合所 |
屋外の待合所 |
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オートトレイン52列車 ロートン行き |
車載車 (Auto Carriers) |
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整備場 |
車載車への自動車積込み・積下ろし所 |
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ロートン方面 (北方向) |
東方向をのぞむ
(機関車は入換用のDash8) |
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