注記：　ハリケーンの災害により、サンセットリミテッド号はフロリダ州オーランドとルイジアナ州ニューオリンズ間を運休しているので、この駅も休止状態です。　復旧時期は未定です。　このまま廃止の可能性もあります。

フロリダ州の州都タラハッシーは人口約15万、州北西部の都市の中では最大の町です。　しかし観光や商工業で目立ったものはなく、フロリダ州内にある大きな都市の中で一番地味なのではないかと思います。　地味ではありますが地名はなかなか個性的なので、麻薬の一種である 「ハッシッシ」 と掛けて 「タラハッシッシ」 などと言われることもあり、オヤジギャグとして活用されています。　昨日泊まったチップレイからハイウェイ10号で東に向かい、タラハッシーの出口で降り、ダウンタウンへ続く市街地の道を南へと進みます。　日曜日の朝ですが道は混んでいて、街としては活気があります。　渋滞しているので街並みをゆっくりと見物出来るのですが、見ていると何か雑然とした狭苦しさのような感じを受けます。　どうしてなのかとよく観察すると、どうも街路樹が多く植えてあり、またそれらが大きく育ってしまっているからだと気付きました。　アメリカの整然とした区画の道路ですが、植物が生い茂るだけでアジアの街並みのように見えてしまうというのは面白い現象です。　混雑した道をさらに進み、市の中心部に入り、州議事堂の前を通り過ぎます。　ダウンタウンを通り過ぎ、坂道を下っていくと、町外れの寂しい所にあるアムトラックの駅に到着しました。　

この駅は2階建ての棟（東側）と1階建ての棟(西側）の二つの建物がくっついていて、2階建ての建物は現在どこかの会社の事務所として使われていて、1階建て建物の西側にアムトラックの待合所があります。　1階建ての方は1858年建造の旧貨物駅で、2階建の方は1885年に増築された部分です。　1858年建造というのは前身が貨物駅だったとはいえ、現役の旅客駅としてはかなり古い建物の部類に入ります。　その貨物倉庫のような建物の一角をアムトラックは所有しています。　この駅はアムトラック係員のいない無人駅ですが（2004年に無人化された）、列車の到着30分前に待合所が開き、 そこにはトイレや公衆電話などの施設が整っています。　

このアムトラック駅のすぐ東側には1905年建造の旧旅客用駅舎が健在です。　今は路線を管理している貨物鉄道会社（CSX Transportation）が事務所として使用しています。　この駅舎は1905年から1971年まで旅客駅として使用されていました。　旅客列車廃止から21年後の1992年にアムトラックの旅客列車が復活しましたが、アムトラック用の駅舎は旧貨物駅を使用することとなり、その旧旅客駅舎が再び客扱いをすることはありませんでした。　そのため現在では、旅客用駅舎を貨物鉄道会社が使い、貨物用駅舎をアムトラックが使うという皮肉な状況になっています。　しかし利用方法はどうであれ、この駅にはふたつの歴史的な駅舎が「現役」で健在であることに変わりはなく、そういう意味で貴重な駅といえます。

駅情報：

所在地

918 1/2 Railroad Avenue
Tallahassee, FL 32310

経緯度

北緯30.43度　西経84.29度

標高

24ｍ

人口

150624人

駅員

無人駅

駅舎

石造り駅舎、1858年建造

乗降客数

2888人 （2004年度）

アムトラック列車情報：

SUNSET LIMITED

[ Orlando, FL - Houston, TX - San Antonio, TX - Los Angeles, CA ]

駅舎西側 （1858年建造の旧貨物用駅舎を使用）
2005年6月8日

駅舎東側 （2階建ての部分は1885年に増築）
2005年6月8日

プラットホーム （東をのぞむ）
2005年6月8日

プラットホーム （西をのぞむ）
2005年6月8日

待合所 （列車到着の30分前に開く）
2005年6月8日

駅前駐車場
2005年6月8日

オーランド方面 （東方向）
2005年6月8日

ロサンゼルス方面 （西方向）
2005年6月8日

旧旅客用駅舎（現CSXT事務所）
2005年6月8日

旧旅客用駅舎（ホーム側）
2005年6月8日

昔の州議事堂
2005年6月8日

起伏の多いダウンタウン
2005年6月8日