TRUCKEE |
CALIFORNIA |
(TRU) |
トラッキーはドナー峠の至近駅で、標高は1775メートルあります。 この駅は2度訪れましたが、一度目の時はこの地方の冬の厳しさを身をもって体験しました。 前日の夜、レンタカーでハイウェイ80号を使いドナー峠を越えたとき、路面に雪はなく、何の問題もなくネバダ州のリノまで辿り着きました。 安モーテルで一泊し、翌朝に天気予報をテレビで見ていると、峠は雪で通行止めとなっていました。 これはまずい事が起こったと思いました。 ここからカリフォルニア州の海岸に行くには、どうしてもシエラ・ネバダ山脈の峠越えが必要で、雪で通行止めということは、孤立を意味します。 しばらく交通情報を見ていると、通行止めからチェーン規制へと変更されました。 ここリノは晴れていて雪もないので、これからの行程でチェーンが必要とはどうしてもピンときません。 もうすでに昼近くになっているので、急いで出発。 昨夜、暗がりで通ったハイウェイを再びカリフォルニア方面へと戻ります。 車窓からは併行する線路が見え、アムトラックの乗客と同じ視線で景色を眺めています。 曲りくねった道を登っていると、雪がだんだん深くなってきます。 ついに路面全部が雪で覆われてしまい、チェーンを装着することにしました。 チェーン装着の経験は日本であったので難なく取り付け、ジャラジャラと音を立ててトラッキー駅へと向かいます。 途中でチェーン装着を検査する検問があり、渋滞や雪道のノロノロ運転のため時間は掛かりましたが、降っていた雪も止み、なんとか無事にトラッキー駅に着くことが出来ました。 その時の写真は下を見ていただければ分かります。 私の駅写真は雪のないものが多いので、この雪景色は希少です。 トラッキーを後にし、難関のドナー峠に向かいます。 雪はますます深くなり、白一色の世界です。 路肩に除雪された雪が大きく盛られていて、今にも崩れて来そうです。 ドナー峠の頂上に着きました。 昨夜は暗くて見えませんでしたが、標高の書かれたボードが立っていて、7239フィート(2206メートル)となっていました。 この峠がこんなに高い所を通るとは思ってもいなかったので、「なるほど、これだけ標高が高ければ雪も降るわけだ」 と、自分の下調べの悪さを嘆くよりも、素直に納得してしまいました。 温暖なカリフォルニアというイメージがありますが、こういう所もありますので、皆さん気を付けてください。 大変そうに書いていますが、実はこの様なハプニングは大好きです。 雪道運転も大好きなので、本当は大喜びだったのです。 峠を越えて雪が減り、チェーンを外す時には、まだ雪道を走り足りない気がして名残り惜しくもありました。 私にとっては貴重な雪道体験が出来(当時フロリダに住んでいたので雪は貴重)、とても満足でした。 トラッキーは観光の町です。 近くには8っのリゾート地が点在し、サクラメントやサンフランシスコといった大都市からも近いので、いつも賑わっています。 私は冬と夏の両方に訪れましたが、どちらの季節も町には人が溢れ、とても活気がありました。 季節が逆なので違う印象を受けると思いましたが、夏も冬も同じで、どこか浮かれた観光地特有の雰囲気が染み付いていました。 この駅は無人駅ですが、駅舎内には観光案内所が設けられていて、駅施設は充実しています。 駅舎は旧サザン・パシフィック鉄道1891年建造の木造のものを改修して使っていますが、あまりにきれい過ぎて昔の面影はなく、近代駅舎のように見えます。 1日1往復のカリフォルニア・ゼファー号の他、アムトラックバスも1日4往復運行されていて、この駅前にバス停があります。 トラッキーという地名の由来を考えたことがあります。 「Truck」 ということから、運搬車に関する事柄から来たものかな、とも考えました。 ちょっと脱線しますが、ここで英語の 「Truck」 と 「Track」 の違いについて説明します。 どちらも日本語にすると 「トラック」 となってしまうので、ややこしく混乱してしまいます。 以下に意味の違いを記します。
Truck =
貨物自動車、無蓋貨車、運搬車、ボギー台車など 運送会社が使っている荷物を運ぶ車は 「Truck」、列車の台車も 「Truck」、陸上のトラック競技は 「Track」、鉄道の線路のことも「Track」 となるわけです。 日本語では発音が一緒ですが、英語ではもちろん違います。 台車の 「Truck」 は母音が閉じる音(ʌ)、鉄道線路の 「Track」 は母音は開く音(æ)です。 では本題に戻りましょう。 トラッキーについて調べてみると、私の予想は外れ、この地名は運搬車の 「Truck」 とはなんの関係もなく、ネイティブ・アメリカン(インディアン)の酋長の名前から来たものでした。 ネイティブ・アメリカンの人名を地名にするのはアメリカではよくあることです。 |
駅情報: |
所在地 |
Railroad St.
& Commercial Row |
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経緯度 |
北緯39.33度 西経120.18度 |
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標高 |
1775m |
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人口 |
16180人 (2010年統計) |
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駅員 |
無人駅、観光案内所 |
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駅舎 |
木造駅舎、1900年建造、改修済 |
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乗降客数 |
8399人 (2011年度) |
アムトラック列車情報: |
列車名 | 経路 |
[ Chicago, IL - Denver, CO - Salt Lake City, UT - Emeryville, CA ] |
2001年12月17日冬 雪景色 |
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駅舎正面 |
駅舎正面 |
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東行きの貨物列車 |
東行きの貨物列車 |
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シカゴ方面 (東方向) |
エマリービル方面 (西方向) |
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2003年6月28日夏 快晴 |
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駅舎正面 |
駅舎(ホーム側) |
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左の入口は観光案内所、右の扉は正面出口 |
駅前の街並み (駅から西をのぞむ) |
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シカゴ方面 (東方向) |
エマリービル方面 (西方向) |
素朴さの残る改修前のトラッキー駅舎ホーム側、アムトラック駅名標も付いてます (1982年2月) |
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