UTICA |
NEW YORK |
(UCA) |
ユーティカ(Utica)とは面白い語調の市名ですが、これはアフリカの古代都市の名から来ているそうです。 19世紀にエリー運河の開通で工業が発展した地域ですが、ここ数十年は景気悪化や財政難で相当に苦労している都市だそうです。 最近になってやっと持ち直してきたそうですが、私が街を見た感じでは、どこか影のある陰気な町に映りました(滞在時間は30分ですのでこの印象はあてになりませんが)。 また、近年ボスニアからの移民が大量に流入し、いまや市の人口の約10パーセントはボスニア人になっているということです。 いくらなんでも大量すぎますが、この移民受け入れも町の景気対策の一環なのでしょうか。 内乱や戦争で難民になり、亡命を希望する人々はどこかの国や町が受け入れる訳で、日本では聞いたことがない大量移民の現実がここにはありました。 アムトラックのユーティカ駅はダウンタウンの北側、エリー運河のほど近くにあります。 1914年ニューヨーク・セントラル鉄道建造のレンガ・石造りの大きな駅舎が健在です。 当時はデラウェア・ラカワナ&ウェスタン鉄道(Delaware Lackawana & Western RR)とオンタリオ・ウェスタン鉄道(Ontario & Western RR)も乗り入れていたので、ユニオン駅(合同駅)として機能していました。 そうした歴史から、ユーティカでは今でもこの駅をユニオン・ステーションと呼んでいます。 ここでユーティカ駅に関する雑学をひとつ。 アムトラックの駅で「U」から始まる駅はここ「Utica」だけです、はい雑学終わります。 ユーティカ駅はアムトラック係員のいる有人駅で、昼行列車のエンパイア・サービスとメープル・リーフ号のほか、夜行列車のレークショア・リミテッド号も停まります。 待合所のホールは大理石を使った豪華なもので、均等に立ち並ぶ大理石の円柱はこの駅の特徴になっています。 私が訪れた2005年8月には待合所の改修工事をしており、大理石の柱より足場の鉄パイプの方が目立っていました。 驚いたことに、この駅舎の中には床屋が営業していました。 床屋が駅舎内にあるというのはあまり聞いたことがありません。 この床屋の内装や機器がまたレトロなんです。 ちょっとのぞいてみると、おやじが暇そうに新聞を読んでいました。 何だか応援したくなる床屋です。 プラットホームに出るとすぐ脇に蒸気機関車が保存展示されていました。 ここユーティカには観光鉄道(Adirondack Scenic Railroad)が運行されていていますが、その客車も引込線に見えます。 ホーム側から駅舎を眺めると、これもまた立派です。 今となっては大きさを持て余し気味ですが、床屋と共にいつまでも残って欲しい駅風景です。 ホームの上屋を見ると、赤くて派手な駅名標が目に付きます。 赤のバックグランドに黒いレターという毒々しいデザインで、強烈な印象を与えます。 私見を述べさせて頂くと、駅舎の渋さに全然合っていないんですけど、というかちょっと気持ち悪い。 |
駅情報: |
所在地 |
321 Main Street |
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経緯度 |
北緯43.10度 西経75.22度 |
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標高 |
126m / 415ft |
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人口 |
62235人 (2010年統計) |
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駅員 |
有人駅 |
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営業時間 |
6:45 - 22:45 毎日 |
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駅舎 |
石・レンガ造り駅舎、1914年建造 |
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乗降客数 |
63673人 (2011年度) |
アムトラック列車情報: |
列車名 | 経路 |
[ Niagara Falls, NY - Buffalo, NY - Albany, NY - New York, NY ] |
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[ Chicago, IL - Cleveland, OH - Buffalo, NY - New York, NY ] |
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[ Toronto, ON - Buffalo, NY - Albany, NY - New York, NY ] |
保存観光鉄道情報: |
名称 | 種別 |
Adirondack Scenic Railroad |
ディーゼル機関車牽引の観光・イベント列車 (4月~12月の運行) |
駅舎正面
(ユニオン・ステーション) |
正面入口 |
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ホームへの通路 |
駅舎ホーム側(赤くて派手な駅名標) |
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西方向(シカゴ・トロント方面)をのぞむ |
東方向(ニューヨーク方面)をのぞむ |
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大理石の柱が並ぶ待合所(改装中) |
アムトラック・チケットカウンター(改装中) |
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駅舎内にある床屋 |
ユティカの街並み |
GE Superadio III さんからの写真提供です |
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