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Amtrak - Williams Junction, AZ (WMJ)



WILLIAMS JUNCTION
ARIZONA
(WMJ)


YouTube: 悲報、アムトラック秘境駅が廃止、ウィリアムズジャンクション駅

注記:
ウィリアムズ・ジャンクション駅は20181月1日に廃止になりました。 グランド・キャニオン鉄道(Grand Canyon Railway)がシャトルサービスの運行を取りやめた為、ウィリアムズ・ジャンクション駅も列車が停車しなくなりました。 ここは何もない場所で、秘境駅といってもいいのですが、シャトルへの接続と一級観光地のグランド・キャニオンの威力か、廃止前の2017年度年間乗降客数は9672人と、決して少ない数ではなかったです。 アムトラックの味のある駅がまたひとつなくなり残念です。 廃止後は約50km東隣のフラッグスタッフ駅が接続駅となります。 以下は廃止前の訪問記になります。

2001年5月訪問 - ウィリアムズ・ジャンクション駅は見つけるのに苦労した駅のひとつです。 アムトラックの時刻表には明確な場所(所在地)が記されていなかったので、とりあえず行ってみようということで、ウィリアムズの町中にある観光案内所で尋ねました。 「アムトラックの駅はどこですか」、「この時間に列車はないけど」、「駅を見たいだけなんですけど」、「アムトラックの駅はねぇ、町の5マイルくらい東の外れにあるよ」、といった感じに不審な顔をしながらも駅の「方角」だけは教えてくれました。 駅というのは大体の場所が分かれば探し当てることが出来るのですが、その5マイル東に行っても森ばかりで駅の雰囲気がしません。 30分ほどウロウロしたあと、仕方がないのでもう一度観光案内所へ戻り、再び尋ねました。 先程とは違う係員だったので、もう一度同じ質問をします。 「アムトラックの駅はどこですか」、「この時間に列車はないけど」、「駅を見たいだけなんですけど」、「アムトラックの駅は町の5マイルくらい東の外れにあります」、まったく同じ返答だ。 もっと突っ込んで聞いてみよう。 「さっき5マイル東へ行ったけど駅が見つからなかったんですよ。 もっと詳しく教えてください」、沈黙の後、その係員は奥へと消えた。 しばらくするとマネージャーが出てきて詳しく説明してくれました。 なんでもハイウェイの入口の手前の細い道を入っていくということらしいです。 「何でそんな所に行きたいのだよ」、というセリフが顔に書いてあるマネージャーに礼を言い、もう一度5マイル東へ行き、ハイウェイ手前の道を探します。 確かに道はありましたが、それは森の中へと続く細い砂利道でした。 とてもこの先に駅があるとは思えなかったのですが、他には道がないので行ってみました。 ガタガタと車を左右に揺らしながらデコボコの砂利道を4~5キロ走ると、急に視界が開けました。 目の前には線路があり、アムトラックの駅名標も見えました。 実に何もない駅で、プラットホームに駅名標だけです。 この駅が出来たのは1999年で、つい最近のことです。 グランド・キャニオン鉄道(Grand Canyon Railway)の発着する町中のウィリアムス駅までの連絡用に設置された観光駅で、無料のシャトルバス(要予約)がアムトラックの列車に合わせて運行されています。 ですから列車の利用客は私のように迷うことはありません。 私が散々迷ったのは、駅に車で行くという邪道な方法に対する罰でしょうか。 アムトラックはもっと町中に駅を造れば良いではないかと思いますが、それが出来ないのです。 アムトラックの使用している路線(旧サンタフェ鉄道、現バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)は1950年代に大規模な路線改良(新線切替)を行い、ウィリアムズ市内を大きく迂回してしまいました。 駅を造るのに相応しい条件(平坦地や広さなど)を考えると、町への一番の最寄地がこのウィリアムズ・ジャンクションとなった訳です(下図参照)。 この駅は何もなくて広々していますが、標高は2115メートルあり、サウスウェスト・チーフ号のルート上で最も高い駅となっています。 

追記:
2008年3月に列車の中から駅を観察しました。 窓から覗くとオレンジ色の電灯に照らされたアムトラック連絡バスが停まっているのが見えました。 このバスはウィリアムス市内への連絡バスです。 何人かの乗客がバスに乗り込みます。 もっと小さなシャトルバスを使用していると思っていたのですが、意外にも大型の観光バスでした。 駅の周囲は漆黒の闇。 相変わらず何もない駅でした。

追記2:
2017年12月に再訪しました。 訪問理由ですが、2018年1月にこの駅が廃止されるという小さな記事を見付たことから始まりました。 確認のためアムトラックやシャトルを運行しているグランド・キャニオン鉄道のウェブから公式情報を探しましたが何も告知がありません。 半信半疑でしたが取り敢えずなくなる前に行っておこうと決断し、2017年12月24日に列車で訪問しました。 ロサンゼルスからサウスウェスト・チーフに乗り、行きはフラッグ・スタッフからバスでグランド・キャニオンへ、グランド・キャニオンからはグランド・キャニオン鉄道の観光列車を片道利用でウィリアムズまでやってきました。 長い前座が終わり、これからが本番のウィリアムズ・ジャンクション訪問です。 今回はシャトルからロサンゼルス行きのサウスウェスト・チーフに乗り継ぐという正道での駅訪になります。 ウィリアムズからウィリアムズ・ジャンクションに行くにはグランド・キャニオン鉄道が運行する連絡シャトルに乗車します(需要に応じて大型バスだったり小型のバンだったりします)。 乗車場所はウィリアムズにあるグランド・キャニオン鉄道のホテルで、乗客はホテルのロビーで待ちます。 それはど大きなロビーではないので乗客が多い時は混雑しそうです。 この日はクリスマスイブですがシャトルの乗客は少なめで10人ほどでした。 サウスウェスト・チーフはイリノイ州シカゴから延々とやってくる長距離列車なので遅延は覚悟していましたが、アムトラックのウェブでトレインステータスをみると定刻運行でした。 列車到着の30分前くらいに係員がシャトルの案内をします。 シャトルは小型のバンで、ホテルの正面玄関から出発です。 アムトラック時刻表ではホテルからウィリアムズ・ジャンクションまでは10分となっています。 走行中にバンの運転手がアムトラック接続シャトルが2017年12月をもって終了するとアナウンスしました。 このとき初めて関係者から「廃止」の言葉を聞き、やはり廃止は本当だったのだと、最後に訪問出来て良かったと思いました。 しばらく走ると道路が未舗装となり、バンはデコボコ道を左右に揺れながら進み、電灯はなく周辺は真っ暗で、車の明かりだけが頼りです。 そしてバンが暗闇で停まりました。 どうもウィリアムズ・ジャンクション駅に着いたようですが、駅の照明が点いていないので何も見えません。 すると突然、白い照明が点き、駅の全景が見えました。 以前列車から駅を見たときはオレンジの照明だったので、白系の照明に変わったようです。 真っ白な光に照らされると周囲の暗さが更に強調され、光と闇の対比が際立ちます。 バンから降りて駅の観察を始めます。 前の訪問時と同じく全く何もない駅で、あるのはプラットホーム、駅名標、車椅子昇降機の倉庫だけです。 そんな駅を右へ左へぐるぐると5周ほどしました。 他の乗客はじっと1ヶ所に固まって列車の到着を待っていたので、私の行動は相当奇妙であったに違いありません。 もし不快に感じた方がいたら申し訳なかったですが、私はこのウィリアムズ・ジャンクション駅を見るためにここまで来たわけで、許して頂けると幸いです。 サウスウェスト・チーフが到着し、客が降りてきます。 この方たちは今来たバンでウィリアムズへと向かいます。 そして我々はサウスウェスト・チーフに乗り、ウィリアムズ・ジャンクションを後にしました。 その後、アムトラックからウィリアムズ・ジャンクション廃止の正式なアナウンスがあり、フラッグスタッフが連絡駅になる旨の「Alert」が発行されました(こちら)。

「Williams Junction と Williams の位置関係」

 

駅情報:

所在地

Williams Junction
Williams, AZ 86
046

経緯度

北緯35.24度 西経112.13度

標高

2115

人口

3023人 (2010年統計)

駅舎

駅舎なし、プラットホームのみ

現状

プラットホームは現存

 

アムトラック列車情報:

列車名 経路

SOUTHWEST CHIEF

[ Chicago, IL - Albuquerque, NM - Los Angeles, CA ]

 

保存観光鉄道情報:

名称 備考

Grand Canyon Railway

機関車牽引の客車列車。 グランドキャニオンへの観光用。



2017年12月24日訪問

Photo 01

Photo 02

ウィリアムズのグランド・キャニオン鉄道ホテルの

ロビーでシャトルを待つ

ウィリアムズ・ジャンクションへのシャトル(バン)が

ホテル正面玄関に到着

Photo 03

Photo 04

ウィリアムズ・ジャンクション駅全景

ウィリアムズ・ジャンクション駅

Photo 05

Photo 06

ウィリアムズ・ジャンクション駅

ウィリアムズ・ジャンクション駅に到着したシャトル

Photo 07

Photo 08

列車を待つシャトルからの乗客

列車を待つシャトルからの乗客

Photo 09

Photo 10

プラットホーム

駅名標

Photo 11

Photo 12

シカゴ方面(東方向)をのぞむ

ロサンゼルス方面(西方向)をのぞむ

Photo 13

Photo 14

サウスウェスト・チーフ到着

サウスウェスト・チーフ到着

2001年5月15日訪問

Photo 1

Photo 2

駅全景、何もない

グランドキャニオン方面乗換駅

Photo 3

Photo 4

シカゴ方面(東方向)をのぞむ

ロサンゼルス方面(西方向)をのぞむ



アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道(ATSF)の駅舎(写真:1961年)

アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道(ATSF)の駅舎(写真:1973年8月)

駅舎はこのあと取り壊された(写真:1973年8月)

ウィリアムズへのシャトルバスに乗り込む乗客 - 列車から撮影 (写真:2008年3月)




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