BEAUMONT |
TEXAS |
(BMT) |
ボーモントはテキサス州の東はずれ、ルイジアナ州のとの州境まで約40キロの所に位置しています。 この付近から1901年に石油が大噴出し、その後のテキサス州の石油産業発展の第一歩を印した場所でもあります。 このボーモントにアムトラックの駅があります。 ボーモント駅には2度訪れたことがありますが、2回とも道に迷いました。 1回目の時は詳しい地図も持たずに当てずっぽうで行き、線路沿いのところを走り回ったのですがこの周辺は路線が入り乱れていて、結局自力では見つかりませんでした。 いろんな人に駅の場所を聞いたのですが知る人はいなくて、最終的に電気工事のおじさんに聞いたところやっと判明しました。 彼は必死に駅の場所を説明するのですが、どうも良く分かりません。 英語力の問題と言うより相当分かりづらい所にあるようです。 口頭では良く分からないので地図でも書いて貰おうかと思ったら、そのおじさんが 「俺が連れてってやる」 と言ってくれました。 ありがたくそのおじさんの電気工事のトラックについて行きます。 4車線の大きな道路を走っていると目の前に線路をくぐるガードが現れ、その手前左側にある細い砂利道をトラックは入っていきました。 「おいおいホントにこんな所にあるの」と砂利道をしばらく進むと行き止まりになり、アムトラックの駅舎が見えました。 冷房の無い車で暑い中をわざわざこんな駅まで連れてきてくれたおじさんには 「冷たいものでも飲んで」 とちょっとしたチップをあげてから 「ありがとう」 とお礼をいい別れました。 2回目の時は住所を確認して、きちんと地図で調べて完璧な前調査をしてから駅に向かいました。 1回行ったのに何で地図がいるのかと言うと、駅の場所を全然覚えていなかったのです。 私は1回訪れた所は結構覚えている方なのですが、ここは人について行ったからなのか全く記憶に無く、また新しい駅に行くような気分でした。 今回は地図があるのですぐ着くだろうと車を走らせました。 地図の場所に着いてみると全然違う場所でした。 いったいここはどこだ。 どうもここはごみの集積場らしく、ごみ収集車が走り回っていました。 どう見てもアムトラックの駅ではないし、1年でこんなに変わりはしないだろう。 だいたい前回来た時と地形的な雰囲気が違いすぎる。 そんな感じで立ち往生していると、どう見ても周りから浮いている私の車なので、1台のごみ収集車の運転手さんが声をかけてくれました。 そこで事情を説明し 「アムトラックの駅はどこですか」 とすがる想いで尋ねました。 その運転手さん曰く、「そこを右に行って次を左に行って鉄道ガードの手前を左に入る」。 「鉄道ガードの手前を左に入る」 この一言で1年前の記憶がよみがえって来ました。 「ありがとう」 とお礼をいい、言われたとおりに進むとそこには見覚えのある細い砂利道がありました。 でも何で間違えたんだろうと駅のアドレスをよく見てみると、私が調べていたのは "Cedar Street" という道路名でしたが、実際には "West Cedar Street" で "West" が抜けていたのでした。 まったくちょっとしたミスで2回目も道に迷うとは情けない。 でもおかげで印象的な駅になったし、駅までの道を教えてくれた優しい人たちにも会えたのだからよかったのかな。 大体なんでこんな駅に時期を空けずに2回も来る必要があるのかと駅の写真を見た人は思うかもしれませんが、1回目の時は待合所の写真を撮っていなくて、あまりにもひどい待合所だったのでやはり写真に収め公開し、アムトラックに反省してもらおうと思ったのです。 まあ本当はそこまでオーバーな目的意識は無かったのですが、たまたま近くを通ったのでせっかくだから寄って行こう、駅舎は少しはきれいになったかな、という感じで行ったわけです。 駅舎は1年前から何も変わっていませんでした。 駅の周り、建物、待合所と去年と同じ佇まいです。 これは良い方に解釈すれば駅舎は汚くはなっていないと言うことにもなりますが、元がひどいのであまり意味の無いことです。 この砂利道の行き止まりにある駅は何と例えればいいのだろうか。 日本で言うなら、「ちょっと郊外にある工事車両などを管理している事務所で、埃っぽい駐車場には何台かの工事用車両が停まっている」、そんな雰囲気なんですが、こんな比喩で分かって頂けましたでしょうか。 とにかく駅舎はプレハブのような簡易というか安普請な建物です。 駅舎の西側は倉庫になっているようで、この線を所有しているユニオン・パシフィック鉄道が管理しているようです。 そして東側にアムトラックの待合所があるのですが、これがまたひどい。 ガランとした内部に長椅子がひとつ、かべは内装がはがれ、窓ガラスは割れていてその出口付近を歩くとパリパリとガラスを踏む音が響きます。 ひとつ救いなのがこの待合所にゴミなどは散乱していなくてまだ清潔感があるということでしょうか。 なんにしても割れたガラスは危険なのでアムトラックもしくはユニオン・パシフィック鉄道でもいいから早急に直すべきです。 駅を去る前にもう一度あたりを見回します。 埃っぽい荒れた土地で、町中にあるにもかかわらず住宅はまったくない所です。 奥の方に引込線の線路が見えています。 きっと昔は貨物の取り扱いがあったのだけれど今はなくなり、そのまま放置された状態が続き今に至っているのでしょう。 こんな駅ですが、こんな駅だからこそ、とても印象に残っています。
再訪: |
駅情報: |
所在地 |
2555 West
Cedar Street |
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経緯度 |
北緯30.08度 西経94.13度 |
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標高 |
6m |
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人口 |
118296人 (2010年 統計) |
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駅員 |
無人駅 |
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駅舎 |
駅舎なし |
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乗降客数 |
2401人 (2011年度) |
アムトラック列車情報: |
列車名 | 経路 |
[ Orlando, FL - Houston, TX - San Antonio, TX - Los Angeles, CA ] |
2008年8月訪問(駅舎解体後) |
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旧駅舎のコンクリート土台 |
旧駅舎のコンクリート土台 |
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旧駅舎のコンクリート土台 |
旧駅舎のコンクリート土台 |
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オーランド方面
(東方向) |
ロサンゼルス方面
(西方向) |
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駅前風景 |
駅への入口(West Cedar Street) |
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ボーモントの町並み |
ボーモントの町並み |
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2002年5月訪問 |
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駅舎
(正面入口) |
駅舎全景 |
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駅舎ホーム側 |
窓ガラスは割れている |
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殺風景な待合所 |
窓口も板で塞がれている |
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オーランド方面
(東方向) |
ロサンゼルス方面
(西方向) |
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2008年1月にサンセット・リミテッド号でこの駅を通ったレイ・ヨークさんからの報告によると、駅舎は解体されコンクリートの土台だけになってしまったそうです。 右は頂いた証拠写真です。 |
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