EL PASO |
TEXAS |
(ELP) |
エルパソは境界の町です。 テキサス州の最西端に位置していて、隣のニューメキシコ州までは駅から5キロほどで行けます。 そしてニューメキシコ州よりもさらに近くに本家メキシコがあり、駅から国境までの距離はわずか数100メートルほどです。 実際にはリオグランデという国境の川が流れているので、国境の橋まで行かないとメキシコへは入国できないのですが、その橋まで行ったとしても駅から2キロも離れていません。 国境の川「リオグランデ」というと、悠々と流れる大河を連想してしまう人もいるかも知れませんが、この川は全然大河ではありません。 私が最初にこの川を見た時は、灌漑用の用水路だと思ったくらい貧弱な川です。 国境の川なのでもちろん国境のフェンスが取り付けてあるのですが、このフェンスがまた貧弱なもので、「国境だから絶対通り抜けるな」といった威圧感や重装備などはなく、どちらかというと「この用水路は危いから良い子は入っちゃダメよ」といった感じのフェンスでした。 とにかく国境線という雰囲気の全くない川とフェンスだったのですが、近場のフェンスから目を離し、遠くの岩山に目をやると、そこには数多くのバラック小屋が建てられていて、アメリカ国内では見ることの出来ない光景が広がっていました。 ほんの数10分前には華やかなショッピングモールを見てきたばかりだったので、このギャップには胸が締め付けられる思いで、メキシコという国の一辺を垣間見た感じがしました。 私が見たこの用水路のような国境の川「リオグランデ」、緊迫感のない国境フェンス、岩山にあるバラック小屋はアムトラックの列車からも見ることが出来ます。 西行きの列車はエルパソ駅を発車するとすぐ(進行方向左側)、東行きの列車はエルパソ駅に到着する直前(進行方向右側)にこの区間を通ります。 アムトラックの列車からメキシコ国内が見えるのはこの区間だけだと思いますし、メキシコ国境線からわずか数10メートルの所を走るのもここだけしかないはずです。 エルパソの駅は街の西はずれに位置していて、1905年建造の大きな駅舎があります。 赤味を帯びた外観から、一見するとレンガ造りに見えますが、この駅舎は石と漆喰で造られたもので、これは漆喰を赤く着色した為にそのように見えるのではないかと、建築素人の私は思うのですが、建築に詳しい人は教えてください。 また駅舎にある時計台のように見える塔も、時計ではなく鐘のための塔であると思われます(実際に鐘は見ていないのでなんとも言えませんが)。 赤味のある外部に対し、内部はクリーム色基調という地味な色使いをしています。 広いホールに数えるほどのベンチしか置いていないので、ガランとした寂しい感じの待合所です。 この駅は有人駅なので、一通りの施設は揃っています。 駅の観察を終え、帰り際に国境近くのダウンタウンを通っていきました。 街並み、看板、歩いている人、雑然とした感じなどどれを取ってもメキシコで、スパニッシュ的活気のある楽しそうな町でした。 |
駅情報: |
所在地 |
700 San
Francisco Street |
|
経緯度 |
北緯31.76度 西経106.49度 |
|
標高 |
1140m |
|
人口 |
649121人 (2010年統計) |
|
駅員 |
有人駅 |
|
営業時間 |
9:15 - 16:30 毎日 |
|
駅舎 |
漆喰、石造り駅舎、1905年建造 |
|
乗降客数 |
11470人 (2011年度) |
アムトラック列車情報: |
列車名 | 経路 |
[ Orlando, FL - Houston, TX - San Antonio, TX - Los Angeles, CA ] |
|
[ Chicago, IL - San Antonio, TX - Dallas, TX - Los Angeles, CA ] |
駅舎正面 |
駅舎ホーム側 |
|
待合所 |
東行きサンセットリミテット、テキサスイーグル号 |
|
ロサンゼルス方面
(西方向) |
オーランド、シカゴ方面
(東方向) |
|
| 駅検索ページ | [ E ] の駅 | テキサス州の駅 |
| アムトラックのページ | ホーム |