プリンスは New River 沿いの山深い所に位置していて、人口は100人ほどしかいない本当に小さな町で、辺りは静寂が支配しています。　駅周辺にも集落らしいものは見当たらず、駅舎だけが緑に囲まれポツンと存在しています。　しかしどういう訳かプリンス駅はアムトラック係員のいる有人駅となっていて、なぜここに係員が必要なのかと不思議でなりません。　プリンスの南西約20キロのところにベックレー（Beckley）というこの周辺では一番大きい人口1万8千人ほどの町がありますが、そのためだけに有人駅とする必要もないような気がします。　だいたいベックレー市まで20キロも離れていて、しかもアムトラックの連絡バスも走らせていないので利用する人は少数だと思います。　アムトラックのダイヤ改正の度に、今回は無人駅になってしまうのではないかと心配しているのですが、今の所は有人駅として頑張っています。

プリンス駅の駅舎はチェサピーク＆オハイオ鉄道（C&O）時代のアールデコ調の一風変わったスタイルをしています。　駅舎は1946年7月26日開業でそんなに古いものではないのですが、大がかりな改装などはされておらず開業当時の雰囲気を残す貴重な建物のひとつです。　建物の正面入口横の外壁には旧C&O鉄道を示す「C」と「O」の緑色のロゴが今でも取り付けてあります。　駅舎内部も変わった造りで、待合所は天井が高く広々としていて、南北の側面は面積の大部分が窓になっているのでとても明るい空間になっています。　西側の壁の上半分には石炭輸送が盛んだった頃の大きな白黒写真が飾られています。　ただその待合所で使われているイスが少々安っぽく感じて、もう少しこの駅舎に合うようなものに変えたら良いのではないかと思います（実は開業当時からのイスだったりして）。　プラットホームには長い屋根が架けられていて、その屋根の両端は曲線的なデザインを取り入れていて、その上部に "PRINCE" と赤い駅名が取り付けてあります。　1946年の開業当時はかなりモダンな駅舎だったのではないかと思います。　"WVePostcards" のホームページにプリンス駅の詳しい写真がありましたので、ここで紹介しておきます。

駅情報：

所在地

Route 41 North
Prince, WV 25907

経緯度

北緯37.86度　西経81.07度

標高

365ｍ

人口

116人 （2010年統計）

駅員

有人駅

営業時間

8:45 - 20:15　水金日

駅舎

レンガ造駅舎、1946年建造

乗降客数

3197人 （2011年度）

アムトラック列車情報：

CARDINAL

[ New York, NY - Indianapolis, IN - Cincinnati, OH - Chicago, IL ]

 プリンス駅正面
2001年8月30日

待合所
2001年8月30日

ニューヨーク方面（東方向）をのぞむ
2001年8月30日

シカゴ方面（西方向）をのぞむ
2001年8月30日