WASHINGTON |
DISTRICT OF COLUMBIA |
(WAS) |
YouTube: アムトラック信者の聖地、ワシントンDCユニオンステーション コロンビア特別区(District of Columbia, DC)の素性を詳しく知る人はあまりいないと思います。 「何で州じゃないの」とか「特別区って一体なに」とか思っている人は意外に多いのではないでしょうか。 私もその一人ですが、ここは鉄道のサイトですし、かしこまって詳しくは説明はしませんが(説明できませんが)、まあ成り立ちを簡単に言えば、「首都の場所がほしかった」と言えるのではないでしょうか(そのくらい誰でも知っているって)。 1776年7月4日に独立宣言をし、1783年に英国が独立を承認し、1789年に合衆国憲法が制定され、初代大統領ジョージ・ワシントンが選出、就任と、この期間議会の場所はフィラデルフィアやニューヨークなど転々としていましたが、行政の中心地となる恒久的な「首都」をどこかに決めようという計画はありました。 しかし、首都を自分の州に設置して、商工業をより盛んにさせようという各州の利害関係が障害となり、なかなかうまくは事が運びませんでした。 その結果、各州に公平を期すためにどこの州にも属さない特別区を造ることになり、位置的にもその当時の合衆国であった東部13州のほぼ中間点に位置するポトマック川沿いにあるメリーランド州とバージニア州の土地を割譲し、1791年にコロンビア特別区が誕生しました。 この特別区は一辺が10マイル(16キロ)の正方形をしていました。 通常、区画の辺は南北・東西に沿った線で区切られますが、この特別区の場合、45度傾いた境界線を使用した正方形なので、北が上になる地図で見ると「ダイヤ」の形に見えます。 その当時にしてはめずらしい区画の取り方でした。 1847年にポトマック川以南の部分をバージニア州へ返還したため、現在のDCは正方形ではなくなっています。 またコロンビア特別区の「コロンビア」とはアメリカ大陸を発見したコロンブスの名から来ています。 このコロンビア特別区の区画内にある唯一のアムトラック駅がワシントンDC駅です(アムトラック本部もここにあります)。 アメリカ合衆国の首都にある駅ですから、アメリカの中で最も代表的な駅と言っても過言ではなく、石造りの巨大な駅舎はその肩書きに相応しい威厳を持っています。 この駅舎は本当に大きく、東西に広がった駅舎の全体像を見るにはかなり離れた所から見る必要があります。 駅舎正面の外観は威圧感があり、あまり親しみを感じる造りではありませんが、内部の方は現代的にアレンジされていて、かなり軟派な造りになっています。 正面玄関を入るとドーム状の広々としたホールに出ます。 これだけ巨大な駅舎ですが、この駅で広い場所というのはここだけです。 ここより奥にはアムトラックのチケットカウンター、待合所と、100を越える様々な種類の店舗によって埋め尽くされています。 その店舗の中のひとつに "The Great Train Store" という鉄道関係を専門として扱うお店があります。 私も当初は訪れる予定だったのですが、他の場所をうろうろしていて時間がなくなり、駐車場へ戻った時にこのお店に行き忘れたことに気づき、結局行けずじまいでこの駅を離れてしまいました。 ということで、詳しいことは判らないのですが、鉄道関係の書籍や模型などが取り揃えてあるらしいです。 時間のある人は訪れてみてください。 そしてこの駅の地下に控えているのがフードコートです。 飲食店だけで数10店舗が連なっています。 私はこのところ野菜が不足していたので、たっぷりの野菜をタコスの皮のようなものでくるんだ野菜ロール(品名は忘れました)を持ち帰りで購入しました。 確かそれだけで8ドルくらいしてDC駅の物価は高いと嘆いていたのですが、あとで中を見ると私の腕くらいの太さのあるロールが2本も入っていて、とても一度では食べきれず、2食分と考えればまあ妥当な値段なのかなとも思いました。 その野菜ロールを買ったあと、さて帰ろうかと後ろを振り向くと、そこには "KABUKI SUSHI" と書いてある日本食のコーナーがありました。 ちょっと奥まった所にあり全く気がつきませんでした。 この日本食を食べるのもここでのネタにもなるし面白かったのですが、私には先ほど購入した野菜ロールがあるので、結局何も買いませんでした。 せめて写真でも撮ろうとカメラを構えていたら、店の人が不審そうな顔で眺めていました。 そんなに変な顔しないでください、ここでお店の宣伝をしておきますから。 皆さんDC駅の「カブキ寿司」をよろしくお願いします。 でも私は何も食べていないので味のほうは分かりませんが。 こうして見ていくと、この駅は日本で言う「駅ビル」に近いものがあります。 純粋に鉄道利用客だけの駅ではなく、ショッピングのために駅に行くということが出来る、こういう駅はアメリカでは非常に稀で、アメリカ的なガランとした寂寥感は味わえませんが、アメリカ駅の異端児としてこのDC駅にはいつまでも頑張っていてもらいたいと思います。 このDC駅の様々な場所における上下左右360度の画像を 360360.com で公開しています。 この画像はマウスを使うことによりすべての方向が見えてしまうという優れもので、駅舎の構造を立体的に把握することが出来ます。 すべての方向が見えるので野外の画像では空も見ることが出来ますし、晴れている時の画像なら太陽も見えます。 ここでDC駅のその他の鉄道について説明をします。 アムトラックDC駅はコミュータートレインと共用していて、南のバージニア州をカバーする VRE(Virginia Railway Express)と、西と北のメリーランド州を結ぶ MARC が乗り入れしています。 それから地下鉄(METRO)のレッドラインがこの駅に乗り入れています。 そのレッドラインの駅名は "Union Station" となっています。 レッドラインの Shady Grove 方面行きに乗り、2つ目の駅(Gallery Place-Chinatown)で降りると、イエローラインとグリーンラインに乗換えが出来、さらに3っ目の駅(Metro Center)ではオレンジラインとブルーラインに乗換えが出来ます。 鉄道だけで移動したい人にもとても便利な乗り物です。 地下鉄のDC中心部では多くの乗降客がいて活気があり、治安の悪さは全く感じませんでした。 最後にこのDC駅から一番近い観光名所を紹介しますと、駅の正面を出て Delaware Avenue を南に行くと、徒歩10分ほどで国会議事堂に着きます。 ここは National Mall (東西に伸びる緑地帯)の東端に位置しているので、ここから西に向けて散策するのも良いかと思います。 こんな風に書いていますが、私は観光名所は何ひとつ見ていません。 国会議事堂もホワイトハウスもスミソニアン博物館も何も知りません。 見たものは、、、そう駅だけです。 最後は決まり文句でしめたいと思います。 「また来ればいいさ」。
管理人注記: |
駅情報: |
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所在地 |
50 Massachusetts Avenue NE |
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経緯度 |
北緯38.90度 西経77.01度 |
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標高 |
15m |
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人口 |
572059人 |
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駅員 |
有人駅 |
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営業時間 |
5:30 - 23:00 毎日 |
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駅舎 |
石造り駅舎、1907年建造 |
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乗降客数 |
4572878人 (2010年度、全米2位) |
アムトラック列車情報: |
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列車名 |
経路 |
[ Boston, MA - New York, NY - Philadelphia, PA - Washington, DC ] |
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[ Washington, DC - Pittsburgh, PA - Cleveland, OH - Chicago, IL ] |
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[ New York, NY - Indianapolis, IN - Cincinnati, OH - Chicago, IL ] |
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[ New York, NY - Washington, DC - Raleigh, NC - Charlotte, NC ] |
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[ New York, NY - Charlotte, NC - Atlanta, GA - New Orleans, LA ] |
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[ New York, NY - Washington, DC - Florence, SC - Savannah, GA ] |
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[ Boston/Springfield, MA - Newport News/Norfolk/Roanoke, VA] |
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[ New York, NY - Florence, SC - Orlando, FL - Miami, FL ] |
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[ New York, NY - Columbia, SC - Orlando, FL - Tampa, FL - Miami, FL ] |
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[ St. Albans, VT - Springfield, MA - New York, NY - Washington, DC ] |
都市鉄道情報: |
名称 | 種別 |
MTA - Maryland Transit Administration |
コミュータートレイン(MARC) |
VRE - Virginia Railway Express |
コミュータートレイン |
Washington Metropolitan Area Transit Authority |
地下鉄(METRO) |
2008年8月29日訪問 |
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駅舎正面 |
駅舎正面 |
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駅舎正面 |
正面入口 |
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正面入口 |
正面入口の天井 |
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メインホールの入口 |
メインホール |
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メインホール |
チケットカウンターへの出口 |
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アムトラック・チケットカウンター |
チケットカウンター前の吹き抜け |
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預け荷物引取所と赤帽サービス |
いつも混雑している待合所(左側) |
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ショッピング・モール |
MARCの列車 |
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プラットホーム |
プラットホーム |
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2003年5月1日訪問 |
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駅舎正面 |
駅舎正面 |
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駅舎正面 |
正面入口 |
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正面玄関を入るとホールになっている |
アムトラック待合所 |
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アムトラック チケットカウンター |
吹き抜けの階段 |
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地下にはフードコート |
フードコートには寿司屋もあります |
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プラットホーム (北方向をのぞむ) |
ニューヨーク方面 (北方向) |
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